立海6月の半ばになり、本格的に梅雨入りしました。
毎日毎日雨で、なんだかジメジメしていて嫌な気分ですが、私の周りではそんな梅雨さえも遊びの一環として楽しんでいる人がいます。
「イェエエイ今日も雨ー!!あと1日で4日連続!!これもう俺の勝ちじゃね!?」
「だークッソ!!まだまだ序盤だろぃ!!明日こそ晴れる!!」
丸井くんと七条くん。
何日雨が連続で降るか賭けているようです。
ちなみに七条くんは4日連続で雨が降れば丸井くんからジュース1本、丸井くんは4日以内に晴れると賭けているので、4日以内に晴れれば七条くんからジュース1本奢ってもらえるらしいです。
なぜ私がそんなこと知っているかというと、審判に見立てられているからです。
ええ、私も意味がわかりません。
果たしてこの賭けに審判は必要なのでしょうか。
「残念だなブン太!!天はすでに俺の味方だ!!天は常にイケメンの味方だ!!」
「それ遠回しに「自分イケメンです」って言ってるようなモンじゃなか」
「あれっ、雅治いつの間に」
さっきからいましたよ、と言わなくてもいいですかね。
「よし、仁王っ!!俺とコンビ組んで天を味方につけようぜぃ!!お前と俺なら天はこっちにつく!!」
「なんか悪い気はせんから良しとするぜよ」
と仁王くん。七条くんは鼻で笑いました。
「ハッ、雅治みたいなモヤシ一人そっちにいったって俺には敵わないよ」
「絶交するか」
「えー、だって雅治対してかっこよくなくない?なーそう思わない柳生」
いきなり話をふられましても。しかも仁王くんの期待の目が。なんて言えと。
「…そうですか?同性から見ても多少は整った顔をしてると思いますが」
「やぎゅーナイス」
「よし、じゃあ柳生よく見て。俺と仁王、どっちに抱かれたい?」
「それどうしても答えなきゃ駄目ですか?」
何故私にそんな際どいこと聞くんですか、この人。
「じゃあブンちゃん。お前が女ならどっちと付き合いたい?」
「え、俺!?えー………。………楓かなぁ?俺は仁王が女にどういう態度かは知ってるから、付き合うなら楓。仁王タラシだし」
「タラシじゃなか。飽き性なんじゃ」
「最悪じゃねぇか」
プリッと呟き、うまくかわした仁王くん。自分の負になる話題にはいつもこうですよね、あなた。
「まぁつまり、俺の敵ではないよね。よって明日も雨だ」
「うわームカつく。帰ったら弟たちとてるてる坊主作ろう」
丸井くんがつまらなそうに外の天気を見ます。
説明するまでもなく、雨はまだ降り続いています。
「幸村が今日は練習体育館って言っとったぜよ」
「げぇっ、また30分間走?」
「あはは、ざまぁ」
「お前も走るんじゃと」
「湿気すごいから早退するわ」
「そんな理由通用しませんよ」
「ふざけんなこんちくしょー!明日絶対晴れろ!」
「…そしたらお前の負けじゃね?」
「……あ、そっか。ナシナシ今の取り消し!明日も雨!」
騒がしい人ですね…。
「柳生、柳生」
ちょんちょん、と右肘で私をつつく仁王くん。いつの間に隣に来たのでしょう。
「なんですか?」
「見てみんしゃい、コレ」
携帯電話を手にした仁王くんは、可笑しそうに笑っています。
携帯画面を除き込むと、画面には天気予報図。
太陽のマークが並んだその下には
明日から天気が回復
夏に向けてよりいっそう暑さが増すでしょう
の文字。
「…どうやら、丸井くんの勝ちのようですね」
「いやぁ、柳生と幸村が楓に加わったらどう転ぶかわからんぜよ」
「…幸村くんなら天気さえも変えてしまいそうですね」
明日の天気が楽しみです。
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