立海

「……前から聞きたかったんだけど、雅治ってなんなの?坂本龍馬の子孫か何か?」
「んなワケあるか」

七条の疑問を仁王は冷静に切り捨てた。



「いやだって喋り方…あ、そっか、雅治厨二だもんね…。いたよ、前の学校にもキャラ作りのために関西弁喋ってる奴。あいつ元気かな」
「勝手に話を進めるな。これは個性じゃ。キャラ作りとか断じて厨二ではない」

と豪語する仁王。
それより七条の言った、前の学校の友人っていうのが気になるな、俺。

「まぁ雅治の喋りなんかどうだっていいんだよ」
「いやお前が言い出したんだろぃ。これじゃ仁王が可哀想だろ」

と、ブン太がすかさずフォローする。でも、俺が思うにさ、

「ブン太もだいぶキャラ作ってない?」
「幸村くんまで何言ってんの?」
「ああ、確かに」
「あ、七条もそう思う?」

隣にいる七条も俺の意見に同意した。

「シクヨロとか、だろぃとか。子供っぽいよね」
「幸村くん今「子供」と書いて「ガキ」って言った?ねぇ」
「いや雅治よりマシじゃない?」
「俺のはガキより下なのか?」
「いや、俺はキャラ作りってわけじゃねぇし!なんつーの?癖っつーか…」
「言い訳するなだろぃ」
「直せよぃ」
「使い方ちげぇから!幸村くんはいいとして楓は違う!逆にムカつく!ってか真似すんな!」
「そっちこそ真似すんなよぃ」
「そんなことより100円返せよぃしょぉおい、アッソーレッ」
「何の踊り!?もういいよ直す!直しゃいんだろ!?」
「え、ダメダメ!今の喋り方じゃないとジャッカルと区別つかなくて見てる人が困っちゃうよ!」
「あぁもうなんなんだよ!どうしろってんだ!」
「とりあえず…男らしく「だぜ」とか言ってみたら?」
「それか「ごわす」とか」

ごわすって…とブン太が呟くと、仁王が咳払いをし、よく聞くナリ、と俺たちに釘を打った。
何をする気だろうと全員仁王を見つめると、カッ、と目を開き目の辺りにVサインを作って言った。

「(ブン太の声真似で)俺丸井ブン太!!シクヨロでごわす」

ぷちっと誰かの血管が切れた気がしたが、俺と七条は大笑いをした。

「似てるウゥ!!雅治マジ似てる!!」
「に、仁王、もう一回、」
「いやいや次は本人から」
「やんねぇよ馬鹿!!」

すると次は目を細めた。

「(ブン太の声真似で)妙技・綱渡り…でごわす」
「「ぎゃははははははは!!!!」」
「もうやめろよ!ってかさっきから幸村くん笑いすぎじゃね!?仁王もウケたからって調子に乗んなよゴラァ!!」

と仁王の胸ぐらを掴みかかるブン太。
だが仁王はせせら笑い、言った。

「暴力反対でごわす」
「しつけぇ!」


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