立海-1

立海大男子テニス部、柳蓮二だ。
挨拶は手短にしておこう。あまり喋りすぎたら言ってはいけないことまで言ってしまいそうだしな。
では本題だ。
我が立海大男子テニス部は、現在全国優勝に向け日々練習に励んでいる。王者なる者、当然なのだが。
だが、それが仇となって問題が生じてしまった。
全国に名の知れた俺たち、いや立海でテニスをしたいという輩がここ最近で急激に増えてしまった。
その数、去年と比べて約2.8倍。数字からしてわかるようにすごい人数だ。
だが、ここからが問題だ。

人数が多くなったことで、だいぶサポートが必要となってしまった。
スコアやボールの点検、ドリンク作り、資料の作成。エトセトラ。

そんな作業を平部員にさせていたら、だいぶ平部員の中でも差ができてしまったのだ。
それではいけない。王者ならば、全員が強くなければ。
その穴を埋めようと、俺たちは至急マネージャーを雇うことにした。

あまりこの手は使いたくなかったのが本音だが、正直俺たちも手がいっぱいだった。
だがそこで焦って判断を鈍らせてしまい、女子をマネージャーにしてしまったら大変なことになる確率92%。
なら、男子にしてもらおう。単純に考えた結果だった。
ならば早急に手を打とうと男子生徒をチェックした。
そんな中、白羽の矢が突き刺さったのが――

「どもー。七条楓です。ぶっちゃけテニスとかよくわかんないけどできるだけ頑張るから、よろしくー。俺のことは自由に読んでくれて構わないけど後輩は先輩ってつけてね」

仁王と丸井と同じクラスの、七条楓だった。
奴が信頼を獲得する確率、95%。
それがマネージャー誕生の瞬間だった。


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