立海-1

サザエでございまーす、という陽気な声とあのお馴染みの歌が流れ出す。

「サザエさんっていつもこの歌だよねー。今さらだけど」
「いんじゃね?だってちびまる子ちゃんみたいに木村カエラが歌ったってええーってなるじゃん」
「まぁね。仁王ー、味噌汁おかわり」
「任せろ。そしてそれ飲んだら帰れ」

現在6時半。
俺の家の俺の部屋にブン太と楓が昨日から居座っている。
それを今から説明するナリ。


昨日の土曜日。部活があった。しかも夜6時までという過酷な練習だった。

「ああっ!大変だ!家の鍵忘れた!雅治泊めて!!」

母親は日曜の夜まで家にいないといい、家に帰れない楓を家に泊まらせることになった。
それを聞いたブン太が「俺も泊まりたい!」と言い出してまぁ泊まることになった。
最初は楽しかった。でも今は後悔しかない。こいつらうるさい。まさか酢豚に入ってるパイナップルについて朝まで語り合うとは思わなかった。
わかっていた。馬鹿だった。でもここまで馬鹿だとは思わない。

で、昼まで寝て、楓が近所の公園で遊びたいとかいうからしゃあない、わかったと近所の公園に向かう。
いやその前に駄菓子屋で菓子買おうとブン太が言うから駄菓子屋へ寄る。

「雅治奢って。スルメ食べたい」

俺が全部奢ることになった。
駄菓子屋で1000円オーバーするなんて思わなかった。

で、公園。
そこで小学生の女子数人と男子数人がいて、何故だかそいつらと遊ぶことになった。

「いくぜ!!スカイラブハリケェエエン!!!この魔法は女子のスカートを無差別にめくることができる!!!」
「やめろ楓!ガチで怖い!!」
「やっつけろぉおお!!」

三文芝居もいいとこだったが、楓の目が本気だった気がする。
楓も顔はいいしガキんちょには優しくて小学生の女子は楓にベタベタだった。あのまんざらでもない顔した楓は忘れられない。

で、夜。
まだ母親は帰ってきてないらしく、楓はまだいさせてくれといい、ブン太もしかり。

で、今に至る。でも俺の限界だった。すごく疲れた。


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