立海-2

「いくぜオルァアア!!(巻き舌)」
「いつになくやる気だな」

丸井が呟いた。


一回戦、真田VS楓


「真田はまぁいいとして…楓国名とか知ってんのかよぃ?」
「東南アジアとかアフリカはよくわかんない。ヨーロッパならなんとか」
「甘いぞ七条。男たるもの国名くらい覚えとかねば」
「AKBの主要メンバーすら知らない奴に言われたくない」
「む?」

真田への皮肉は聞こえていなかった様子。聞こえていたとしてもAKBを知らないだろう男にあまり効果はない。

「はいはい、じゃあ始めるぜよ」

仁王が仕切り直し、楓と真田が卓球台を挟んで向かい合った。

「んー。よし、じゃあ無難に…にほーん」

楓が慣れた手つきでボールにラケットをあてた。実は下手でした、というオチにならなくてホッとしたのは丸井だけではないだろう。

「アメリカッ」

しかし真田も打ち返す。テニスをしているだけあって慣れている。

「イギリスー」
「フランスッ」
「ドイツー」
「イタリアッ」
「カナダー」
「トルコッ」
「ペリー」
「どこだよ!?」

丸井のツッコミが炸裂し、真田がボールを取った。

「あっ、間違えた!ペルーだペルー!」
「随分古典的な間違いするのう」
「っていうかなんでトルコの次にペルー出てきたし」
「真田の不意討ちだよね」
「俺のせいだと言うのか!?」
「やだなぁ。策士だなって思っただけ」

自分の失敗を真田に擦り付けると、ギャラリーの3人のもとへ戻った。

「真田くんの勝ちですね。七条くんの次、誰にしますか?」
「ブン太行ってきて」
「げぇ俺!?」

楓の発案でしぶしぶ丸井が卓球台へ向かった。
二回戦、真田VSブン太

「え〜、俺よくわかんねぇよ」
「気合いだ気合い。頑張れ」
「負けたら真田の鉄拳ぜよ」
「俺だけ!?不公平だろぃ!!撤回を要求する!」

仁王の発案に丸井が抗議したが、楓はニヤニヤ笑った。

「何言ってんの。俺たち4人のリーダーはブン太じゃないか」
「勝手にリーダーにされてるし!!」
「リーダーが下の責任持つのは普通じゃろ?」
「頑張ってください丸井くん」
「うぉおおヒロシ止めろや!!!くそっ、負けねぇからな真田!」
「フンッ、かかって来い!!」
「はーい、じゃあスタート」
「えーっと…中国!」
「韓国っ」
「ベトナム!」
「ロシアっ」
「オッ、オーストラリア!」
「ニュージーランドっ」
「えーっと、えー…ヨーロッパ!」
「「ぎゃはははは!!!!(笑)」」

仁王と楓が爆笑する。

「え、違うの!?」
「ヨーロッパは州じゃ」
「あーそうだった!!ちょ、待っ、ノーカンノーカン!!今のノーカウント!!」
「どうする真田」
「たるんどるぞ丸井。まったく。まぁ一回ならいいだろう」
「じゃあまた仕切り直しですね」
「ぎゃははははっ、ぐはっ(笑)」
「笑いすぎじゃね!?失礼だろぃ!!!」


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