立海「俺は常々疑問に思ってることがあるんだ」
「へぇ?何じゃ」
「親友の定義。友達と親友の違いだよ」
今日の議題は「親友」についてらしい。
「どこからが友達?」
「名前で呼び会うとか」
「じゃあ雅治俺しか友達いないんだね」
「痛いとこつくなお前」
「じゃあさっきのナシ。名前で呼び会うのは親友にしよう」
「…っていうか、"しんゆう"って漢字は二つあるじゃろ。親友と心友」
筆箱からシャーペンを取りだし、楓が広げているノートに漢字を書いた。
「あ、そっか。二つの意味の違いって何?助けてやなえもーん!!」
「来るわけないじゃろ」
「呼んだか?」
「来るな」
いつの間にかいた。なんで来たどこでもドアか。
「親友と心友の違いを教えて」
電子辞書を差し出す参謀。調べろと。楓はそれを受け取り調べだした。
「えーっと…」
「っていうか何で電子辞書なんか持ってんじゃ」
「図書室で英語の本を和訳していたからな」
「ああ、だから最初に"nettle rash"なんて出てきたんだ」
「どういう意味じゃ?」
「じんましん」
「何の本?」
柳を見たが、奴はしれっとしている。うわぁ気になる何読んでたんじゃ。
楓がそれをからかっていると冷めた声で早く調べろと言われたため、楓はあいあいさーと言ってまた調べ始めた。
結果:
心友-心をゆるし深く理解しあっている友。
親友-信頼できる親しい仲。仲のよい友人。
「…つまり心友>親友?」
「まぁ、そうなるな」
「なんか心友のほう、意味だけみるとエロくね?」
「ファンが泣くぞ」
ガキかお前は。
「参謀、お前さんはどこからが親友だと思う?」
「なんだか複雑だが…。俺は気を使わない仲になれば親友だと思っている」
「抱いてって言われたら抱くような?」
「そんなタチの悪い親友はいらない」
「俺はそうだなぁー、俺のために死んでくれるやつが親友かな」
「重い」
「俺からも疑問なんじゃけど」
「なになに?」
「なんでお前、テニス部のマネージャーになったんじゃ?」
すると楓はとびきりいい笑顔で
「親友の頼みだもん、当たり前だろ?」
「「……」」
と言った。
「…仁王にレンジ、お前ら嬉しそうにしてるけどようは楓の中では死んでもいいってことになってんだぜぃ?」
「やだなぁ、そんな殺生なことするわけないじゃない」
ブンちゃんの言葉で目が冷めた。
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