氷帝

「死ねナルシスト」
「死ねチャラ男」

今日も七条先輩は跡部さんと言い争いをしている。
今日の喧嘩の原因は、七条先輩が跡部さんのサーブミスを馬鹿にしたとこから始まった。

「あのー、宍戸さん、ちょっといいですか?」
「あ?」
「七条先輩のことなんですけど…」

常々疑問に思っていた俺は、七条先輩と隣の席だという宍戸さんに聞いてみることにした。

「…なんで跡部さんとあんなに仲が悪いんですか?」

それが疑問だった。
七条先輩は見てくれはああだけど、温厚でお母さん気質だということは知っている。そんな七条先輩は何であんなに跡部さんと仲が悪いのだろう。

「あー…何でだろうな。最初っからあいつら仲悪かったよな」
「宍戸さんも知らないんですか?」
「席が隣なだけだし、あいつ転入生だし詳しくは知らねぇよ。おいジロー、お前なんか知ってる?」
「え?」
「七条先輩と、跡部さんが仲悪い理由です。知りませんか?」
「んー、俺の知ってる限りじゃあアレが原因かなぁ」
「アレ?」
「うん、えっとねー……」


回想、3ヵ月前のこと。

「…七条司です。よろしくお願いします」

俺のクラスに司が転入してきてー、女子は少なからず司に見とれてたんだCー。

「おい、不良じゃね?」
「失礼だよCC戸」
「それは俺のことか?いやだって髪…目付きとか」
「跡部だって負けてないCー。結構イケメンじゃん」
「そうかぁ〜…?」

で、まぁそんな感じで自己紹介が終わって、確か体育の時間に。

「ジロー、更衣室行こうぜ」
「ん」

で、更衣室行こうとしたら、

「「「キャアアアアア!!!!」」」
「「!?」」

女子の悲鳴があがって、何事だろうと見たら、司が上半身裸だったっていう。

「ななななな、何してんだお前!!」
「何って…。着替え」
「教室で!?」
「んだよ、教室で着替えなんて普通だろ」
「普通じゃねぇ!!」
「別に上半身だけで何過剰に反応してんだよ。海なんてこんなもんだろ」
「ここ海じゃねぇから!更衣室行け!」
「え、なに!?この学校わざわざ更衣室で着替えんの!?」
「そうだよ!」
「…ああ、だから叫んだのか。悪いな、俺のいた中学男子中だったからよ」

上半身裸で謝る司。女子は顔真っ赤。ギャップ萌えってやつ?

「案内してくれよ」
「その前に服を着ろ!」
「すげー腹筋割れてんじゃん。殴っていい?」
「痛いからやめて」



「っていうことがあってー、司めちゃくちゃ陰でモテ始めてー、跡部のファンの子も減ったんだC」
「そ、それだけ?」
「んーん。司のその上半身裸の写真がプレミアム価格がついて、跡部の写真より何倍も高く値打ちがついたんだCー。で、跡部が怒って、ことあるごとに司にちょっかいだすようになったんだC」
「くだらねっ!!」

宍戸さんがいち早く叫んだ。全くもって、くだらない理由だった。

「跡部さん…」

何だろう、この感じ。

「二人共黙ってればかっこEんだけどね」
「残念なイケメン共め…」

遠くで喧嘩している2人を見て宍戸さんが呟いた。あ、七条先輩が雑巾投げつけて大笑いしてる。


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