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「…やっぱいたんだ」
「深司くんもいたんですね」

私がそう言うと、深司くんははぁああ、とため息をつきました。

「いるよ。っていうかなんで教えてくれなかったの。驚いたんだけど。今朝だって会ったじゃん」
「え、私はてっきり知っていて驚かせようとしているものかと…。私だって今朝学校に行って知ったんです。深司くん、教えてくれてもよかったじゃないですか」
「合宿やるって言わなかったっけ」
「言いましたけど、まさか合同合宿とは思いませんでしたし。深司くん知ってたんでしょ?教えてくださいよ」
「だから知ってると思って、言わなくてもいいと思ったんだよ。そしたらやっぱりいたし、本人は初めて知ったとか言うし何なんだよ…そっちの学校おかしいんじゃない?」
「それについては反論できないですね」

チラリと深司くんは氷帝の皆さんを見て、心底嫌そうな顔をしました。

「…なんだっけ、あの加藤って人。俺あの人嫌い」
「え、それ私に言われても困ります。…っていうか、竜崎さんと小坂田さんもいるんでそういうことはあまり言わないでください」

チラリと二人を見ると、私の後ろに隠れていました。

「…ああ、青学の。…いいの?越前くん、一人にしてたらあの人にとられるかもよ」

なんて言って、コートの隅で一人ドリンクを飲む少年を見ます。
その言葉を聞いて二人は慌てて少年のもとへ駆けていきました。必死ですねぇ。

「…何いじめてるんですか」
「いじめてないよ。なんか邪魔だったから」
「なお悪いですよ。…加藤先輩嫌いですか?」
「生理的になんか嫌だ」
「ひどい事言いますね」
「…そういえばみきな、マネージャーになるの?」
「いえ、なりませんよ」
「へえ…。真面目に勉強してたから本気でマネージャーするのかと思った」
「いや、ちょっと馬鹿にされるのが嫌だったんで年甲斐もなく本気で頑張ったんです」
「何それ」
「おい深司」
「!」

やってきたのは前髪が長い少年。

「何だよ、彼女?」
「違うよ死ぬの?」
「それ私に失礼じゃないですか?」
「別にみきなを馬鹿にしたわけじゃないよ。神尾、謝りなよ」
「何でだよ!?」
「あ、はじめまして。佐鳥です」
「あ、俺神尾アキラ!深司と同じで不動峰の2年!よろしく!…で、本当はどうなんだよ?付き合ってるの?二人」
「違うよ」
「違いますねぇ」
「え、だって深司、呼び捨てだったじゃん」
「家が隣同士なだけ」
「ご近所さんなんです」
「へー…みきなちゃん氷帝なんだ」
「名前呼びとかお前何様なんだよ」
「なんでお前さっきからちょいちょい突っかかってくるんだよ!いいじゃん!あ、駄目だった!?」
「いえ、構いませんよ」

深司くんがまた何かブツブツ呟き始めました。
なんかテンション高いですね、深司くん。


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テーマ「人外ファンタジー」
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