24-1

私たちがコートに向かうと、選手の皆さんは散らばっていて、各自誰かと話していたり、グリップを巻いていたり、荷物を置いていたり。
加藤先輩に絡まれていたり。
見ていてそんな感じです。

榊先生が集合をかけると、皆さん駆け足でコートから出てきました。人数多いなー。

竜崎さんと小坂田さんが手招きをしたので私も二人のもとへ向かいます。

「ね、ね、先輩!どうですか?リョーマ様かっこいいでしょ?」
「え、あ、はぁ…」

誰のことを言っているのかわからないのですが…。
多分あの白い帽子の少年でしょうか。背も低いし。
ですが私が探しているのは…あ、やっぱりいた。

深司くん。

私の視線に気づいたのか深司くんは振り向き、目が合うとあっちも、ああやっぱり、といったような顔をしました。
手を小さくふったら、あっちも手を小さくふり、口をまた後で、と動かし前へ向き直りました。

知り合いがいると心強いものです。それを誰かが見ていたとも知らずに。



それから先生がいろいろ話しだして、各学校の部長の挨拶。そしてマネージャーの挨拶。

「加藤理沙です!3日間よろしくお願いします!」

と、加藤先輩。

「…佐鳥です。よろしくお願いします」

と、私。
名字だけでいいですよね。

で、竜崎さんと小坂田さんが挨拶をして、部屋の割り振り。 私は加藤先輩と同室でした。ですよねー。
加藤先輩のほうから舌打ちが。私も対抗して舌打ちしようとしましたがやめました。

「では各自荷物を部屋に持っていくように。30分後にまた集合。解散!」

竜崎先生がそう言い、解散。
どうしようかなーと思っていたら、深司くんがこちらに向かってきました。
隣にいた竜崎さんと小坂田さんが驚いています。





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