23-2

そういえばお昼ご飯とかどうするんでしょうね。
作るのは私たちですが…。
っていうか、私全く概要知らないんですけど。どうしろっていうんでしょう。
まぁ、テニス関係はあの3人に任せるとして、私は家事全般ですかね。
それしかやることないですし。っていうかそれしかできないし。
そんな私を、なぜこの合宿につれてきたのかよくわかりません。

「佐鳥」
「!…榊先生」
「もうすぐ集合だ。いったんコートに来てくれるか」

いたのは榊先生。っていうか、スーツなんですね。着替えないんですか。
わかりましたと答え、冷蔵庫を閉めて駆け足で榊先生の隣へ。
私がつくと榊先生はゆっくり歩きます。私もそれにあわせます。

…やけにシュールなんですが。
そもそも私、榊先生とあまり話したことないんですよね。
授業の時も全く。指されないし。いやまぁ、音楽だから指されること自体あまりないんですが。挨拶程度です。

「幹也は、元気か」
「え、あ、はい…。高校に入ってから、割と明るく…。バスケ部のマネージャーもしてるので、本人は楽しくてしょうがないと思います」

いきなり話しかけてきたのでびっくりしました。待ってください、まだ心の準備が。

「じゃあ、もう大丈夫なんだな」
「はい…。あの、中学の時は兄が迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした」
「なに。謝ることなんてない。今がよければ、昔のことなんて気にしなくてもいい」
「…そうですね」

兄の幹也が中学3年のころの担任が、榊先生。不思議な因果関係です。

「まぁ、今日から数日間、よろしく頼むよ」
「はい」
「いい返事だ」

そういうと先生は私の頭を撫でました。
びっくりして顔をあげると、すまない、癖でね、と苦笑いして手を離しました。
いや、別に嫌なわけじゃなかったんですが。




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