17-2

「…あ、あれ榊先生じゃね?」
「!」

氷帝に着きました。
校門にはスーツの男性が。榊先生ですね。

「!君は…」

私たちに気づいたのか、榊先生は体をこちらに向けました。

「おはようございます、お久しぶりです。佐鳥幹也です」
「おはようございます」
「佐鳥か…。久しぶりだな。…もしや、二人は兄妹か?」
「ええまぁ」
「!そうか…。いや、名字が一緒だったからもしやと思ったが…。みきなくん、よろしく頼むよ」
「はい」
「榊先生もお変わりなさそーで!」
「佐鳥、君もな。何やら巷で女子生徒とよく一緒にいるという目撃情報が多発しているが」
「そう!俺彼女できたんスよ!婚約までしてるんです!」

そんな恥ずかしいことを堂々と言わないで貰いたいものです。

「ってなわけで、結婚式には榊先生も呼びますから!ご祝儀いっぱいくださいね!」
「教え子の結婚式に出るとはな。だが佐鳥、不純異性交遊はいかんぞ」
「うわ、ヒデェ!」


「…佐鳥さん?」
「!」


声が聞こえ振り向くと、鳳くんと宍戸先輩がいました。

「宍戸と鳳か。おはよう」
「お、おはようございます」

宍戸先輩も鳳くんも、私の隣に立ってる男、幹也を不審げな顔で見つめています。
幹也は「?」と二人を見つめいつもみたいに緩く微笑んでいます。確かに、見た目少しチャラいので不審者だとは思いますよね。
こんなのが身内だと思われたくないので、さっさと帰らせましょう。

「ああもう、早く学校行ってください」
「あーはいはい。何でそんな冷たいの?」
「うるさい」
「つれねぇなぁ」

持っていてくれた荷物を幹也から預かり、ほら、行った行った、と背中を押します。

「ちょ、待て待て、榊先生、コイツのことお願いしますね。体弱いんで」
「任せろ。行ってよし」
「行ってきまーす。じゃ、みきな頑張れーい。何かあったら電話すっから」
「はいはい」
手を振ったので一応振り返し、幹也を見送りました。まったく。

視線を感じ振り向くと、宍戸先輩と鳳くんが驚いた顔をしていました。完全にタイミングが悪かったですね。

「…えっと、おはようございます」
「あ、お、おう」
「…」
「…鳳くんも」
「あっ、うん、おはよう!」

軽く挨拶をすますと、榊先生が荷物運びを手伝ってくれというので私たちは榊先生のあとをついていきました。
鳳くんの顔をみたら、なんだか悲しそうな顔をしていました。
お腹痛いんでしょうか。


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