17-1

それからまぁ、平凡な日々が続きました。
特に問題は起こらず、至って普通な毎日を過ごしました。
偏頭痛もあの日以来発症してません。
テニス部?すみませんが、知りませんね。
だって部活に参加もしなければ、見に行くこともしませんでしたから。
加藤先輩もいたからあまり近寄りたくなかったし。
そういえば芥川先輩はちゃんと部活に出たのでしょうか。それだけが不安ですね。

とまぁ、そんなこんなで合宿当日の朝5時45分。
朝食、お弁当を朝4時から作り、今日のご飯はなんとかなりそうです。鷹那も幹也も部活だし、夕食は深司くんのお母さんに任せておけば、まぁ大丈夫。

「みきなー、大丈夫か?そろそろ行くぞー」
「今行きます」

鷹那はまだ寝ているので、起こさない程度に声をだし玄関に向かいます。
学校まで幹也に荷物を持ってもらうことにしました。
別にそんなに大荷物じゃないんですが、利用する物は利用する性分なので利用させてもらいます。
なんと幹也、今日は神奈川の学校と練習試合らしいですよ。
リコさんが試合を組んだとか。やることがすごいですね。

「薬は?」
「持ちました」
「うしっ、じゃあ行くか」

リコさんがくれたジャージに身を包み、学校へといざ出発。

「あ」
「あ」

玄関を幹也が開けると同時に、右に顔が向きました。
何だろうと思って私も外に出ると、深司くんがいました。

「!おはようございます」
「…おはよ」
「あ、深司も部活?」
「まぁ、そんな感じ」
「じゃあ頑張ってくださいね」
「みきなも」

軽く挨拶を交わし、深司くんと別れました。昨日も一緒に勉強していたので、あまり話すことがないんですよね。
幹也もじゃーなー、と手を振りました。深司くんシカトしていましたが。


「へぇー、深司も合宿なんだ」
「らしいです」
「なに?合同合宿なわけ?」
「概要はわかんないです。聞いてないので」
「聞いてないの!?それでいいのか?」
「いや、マネージャーだしあんま関係ないかなーって」

結局そういう結論になって日吉くんに聞かずにいたんですよねー…。日吉くんからも言ってこなかったしいっかなって。

「まぁ頑張れ。無理すんなよ?駄目だと思ったら帰らせてもらえ」
「大丈夫ですよ」
「…ならいいけど。氷帝久しぶりだなー。まだ榊先生とかいんの?」
「いますよ」
「へー」
「…聞いていいですか?」
「ん?」
「なんで、わざわざ他校を受験したんですか?幹也の学力なら、高校も氷帝でよかったじゃないですか」
「!」

一番気になっていたことです。
私はてっきり高等部にいくものだと思っていました。でも幹也は両親と話し合い、他校、つまり今の誠凛を受験しました。
なぜ?それが私にあった疑問でした。

「…まさかその時からリコさんのストーカーを…」
「その時からって何!?今もしてねぇよ!」

と激しいツッコミ。
咳を整え、まぁ聞けよと私を促しました。

「……あー、なんかめんどくさくなってな。そりゃ氷帝にいたほうが就職だとか有利だろうよ。でも、嫌だった。勉強すんのも、あんなインテリ達と学校生活送るのも。で、誠凛を受けたんだよな。その時は氷帝以外どこでもよかったんだけどさ、今はリコも日向達もいるし、よかったと思ってる」
「……」
「俺はみきなの進路については何も言わねぇから、自分で決めろよ。でも誠凛楽しいぞー。みきなが高校あがる時は俺らはいないけど俺のとこの優秀な後輩がいるからな、大丈夫大丈夫」

ヘラヘラ笑う幹也。
説得力はありませんが、多分充実な毎日を送ってるんでしょうね。
羨ましいです。


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