FINAL FANTASYZ | ナノ


少しだけユリアの顔が曇ったのを見て、ユアンは自分が放った言葉を少し後悔した。

「私、幸せよ?ユアン。」

自分が思ったことを見透かしたように、返事をするユリア。

「姉さんが幸せなら、私はいいんだ」
心からそう思っている。
ユアンは微笑んだ。


お腹の子の父親とユリアの出会いは、まるで本に出てくるような運命的なもののようだとユアンは思っていた。
自分と同じく軍人であったその男は
たまたま、ここのエリアを巡回していて立ち寄ったコスモキャニオンでユリアと出会い恋に落ち、まるで昔からの知り合いのように二人が打ち解けあうのに時間はかからなかったとユリアは言っていた。

しばらく滞在したのち、再び招集がかけられ彼はコスモキャニオンを去った。
必ず戻るという言葉と、自分が身に着けていたネックレスをユリアに渡し・・・しかしそのまま彼が戻ることはなかった。

その数か月後、ユリアのお腹の中に新しい命が宿ったことを知らされた。

ユリアの胸元に下げられているネックレスを見つめ、ユアンは思い出していた。

「さ、みんながそろそろ来るころかしら」

ユリアが嬉しそうに仕上げるのとほぼ同時に、ドアが開き村の人々がやってきた。
「さあ、宴だ!料理を運んで外でみんなで食べよう!」

今夜も星が美しい。
ユアンは日常を忘れて今日は、ゆっくりと星を眺め村人たちと共に時間を過ごそうと思った。



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