この世界はフィクションです






色付く物など何も無かった。時代とともに取り残される異物であり、遺物。ただ、捨てられることへの恐怖。

どうしてどうしてどうしてどうして?


(置いていかないで!)


こんど命を吹き込まれるのはいつだろうか。そう願いつづけて幾年経ったのか、解りたくも無い。

人の為に作られ、人によって壊される。時代が過ぎれば見向きもされなくなる。

言葉なんて届かない。声なんて尚更遠く。


(もっと、もっと、あなたのそばで役に立ちたかった。)


殺したいほど憎んでいる。
憎んでいても絶対に殺せやしない。

いっそあなたの手で殺してくれたほうが楽だった。


機械に心なんて無いと、そう思っていらっしゃいますか?





2009/10/21


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