この世界はフィクションです
色付く物など何も無かった。時代とともに取り残される異物であり、遺物。ただ、捨てられることへの恐怖。
どうしてどうしてどうしてどうして?
(置いていかないで!)
こんど命を吹き込まれるのはいつだろうか。そう願いつづけて幾年経ったのか、解りたくも無い。
人の為に作られ、人によって壊される。時代が過ぎれば見向きもされなくなる。
言葉なんて届かない。声なんて尚更遠く。
(もっと、もっと、あなたのそばで役に立ちたかった。)
殺したいほど憎んでいる。
憎んでいても絶対に殺せやしない。
いっそあなたの手で殺してくれたほうが楽だった。
機械に心なんて無いと、そう思っていらっしゃいますか?