▽現パロ伊桐ちゃんが初めて手を繋ぐとしたら



まずそこに行きつくまでに、私は風呂の話をしなければならない←

伊崎くんのお部屋は、風呂なしアパートとかであったらいいなと思うところからなんだけど、桐子が通ってくるようになってから、ふと伊崎くんが言うわけです。

「お前…こんな何もねぇ部屋に来て、何が楽しいんだよ」
「え?」
「狭ェし、風呂もないようなボロアパートだぞ」
「ああ、お風呂……伊崎さん、そういえばお風呂はどうしてるんですか?」
「?近くに銭湯あっからそこに…」
「!」
「…あ?」
「銭湯…!」

何故か目をきらきらさせる桐子に聞いてみたら、銭湯に実は行ったことがないことが判明。

「あー……………………………………じゃあ、今度一緒に行ってみっか………………?」

今まで見たことのない感じでちょっと前のめりに、にこにこふわふわ、銭湯のことを聞いてくる桐子についそんなこと言っちゃう伊崎くん…。

「!はい…行きたいです、伊崎さんと一緒に、」

とかすっごくすっごく嬉しそうに笑う桐子に

「……おう」

とかぶっきらぼうに、でもちょっと赤くした顔を逸らしながら言う伊崎くん…。もうこの時点でただの幸せ初々カップルやんて感じやけどただ遊びに来てるだけの人とただ遊びに来られてるだけの人っていう伊桐ちゃん……。

銭湯に行ったら行ったで、先にサクッと出てきた伊崎くんは入り口外で桐子待ってんだけどなかなか出てこなくて…

「あ…伊崎さん、お待たせしました」
「……おう。帰るぞ」
「………」
「…どうし、た、っ!?」
「……ごめんなさい。私、すごくお待たせしてしまったんですね」

出てきた桐子を見て歩き出そうとした伊崎くんの手を、桐子が唐突にきゅっと握ってきて、その冷たさに桐子は申し訳なさそうにするんだけど……こんなん伊崎くんは内心ビックリしなかったわけないはずなのに、ンな顔すんじゃねーよって桐子の手をぎゅっと握り返して、

「…別に、待ってねぇし。こうして帰りゃいいだろ」

仄かに冷えた伊崎くんの手のひらに、桐子のぽかぽか温かい手の温度が伝わりながら、そこで初めて、手を繋いで歩くことになるような伊桐っていう……そしてなんかもうここに至るまで、桐子が伊崎くんのとこへ通い初めて1年以上経ってやっと、みたいなんとかだと本当たまらない…。
そんで家に帰るまでお互いに無言でもいいし、桐子がふふ、って笑ったりしながら何か話し掛けて、伊崎くんはそれにただただ「…おう」しか返さないとかそんなんでも可愛い。全部可愛い。美味しくて可愛い伊桐ちゃんホント大好き…。


▽ちなみに、押し倒す時はこんなイメージ←


桐子が通ってくるようになってある程度経っていて、段々と桐子が「伊崎さん、」って笑って自分のこと呼ぶのが悪くなく思えてきたりしてるくらいの出来事かなーって思うんですが。

そういえば、前もこの近くで絡まれたりしてたのに大丈夫なのか…?つーか、こいつ男の部屋に毎度上がり込んでこのふわっふわふわっふわした感じで安心しきって、警戒心がなさすぎじゃねーのか…?って考え始めたら、怖い顔で桐子のこと見つめてて、

「伊崎さん…?」
「……なあ、ちょっとこっち来い」
「…?はい」

どうしてとも聞かず、首を傾げはしても、にこり。
笑って、伊崎くんの隣へ来てストンと座って、何が楽しいのか微笑んだままの桐子に無言で伊崎くんは手を伸ばして、内心ではどこか恐る恐る桐子の頬に触れて。
触れられた桐子は驚くでもなく、ふわ、って笑みを深くして「ふふ、」とか笑うから、なんかもうあまりの警戒心のなさに脅すつもりで、そこから唐突に押し倒して

「……お前、分かってんのか?」
「伊崎さん…?」
「よく知りもしねぇ男の部屋なんだぞ。そんな…信用しきった顔しやがって、」
「、あ」
「その内お前のこと……抱いちまうぞ」

低い声で言われて、それを下から見上げてた桐子は少しの間、小さく驚いたような顔で伊崎くんの目を見つめるんだけど、ふいにふわっと笑うと、

「嬉しい、」
「っ、は……?」
「私のこと、抱いてくれるんですか?」

手を伸ばされて、思わず伊崎くんは一瞬後ろへ身を引こうとするんだけど、伊崎くんの両頬には桐子の手のひらが触れていて、

「伊崎さんで…いっぱいにして欲しいです」

「っ――!!」

予想外のリアクションに、伊崎くんはガッと襲い掛かるも良し、逆にバッと飛び退いて「ッ馬鹿…冗談だっつーの」とかちょっと乱暴な口調で言うけど、耳が真っ赤でそれ見た桐子が「ふふ、」とか笑っちゃうし伊崎くんは「っ…ンだよ」とかまた乱暴な口調で返したりして、けど知ってるか?こいつらこれでまだ付き合ってないんだぜ?みたいな伊桐ちゃん…うっ…可愛い…可愛い……。




現パロな伊桐〜手を繋いだり編〜/白

2016/03/26 02:47

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