▽伊崎くんと桐子とオニギリと


普通の日常でみんなでもいいし、たまたま伊崎くんだけでもいいんだけども。

まず大前提として、桐子が伊崎くんにオニギリを振る舞ったことがあって、特別それがメチャクチャ美味しかったってわけでは多分なく、その時の雰囲気を含めたオニギリの味が良かった、ってのが伊崎くんの中に何となく残ってて。

それからまた戦いの日々に戻り、なかなかの死闘を繰り広げて(ジャンプ主人公的な)ボロッボロになりつつも大の字に息整えながら倒れ込んで空見ながら、ぼんやりオニギリ食べた時のこと思い出して、

「っと……」
「あっ!伊崎さん!早く治療を…!」
「いらねぇ。俺は先に戻る。他の奴の治療を優先してやんな」

とか言って怪我の割にしっかりした足取りで救護の子に背中越しに手ぇ上げて去っちゃって、今回の戦闘は待機組だった桐子のとこへ何の連絡も無しに現れて、部屋に入ってきたらそのままドアの前にどかっと座りこんで「腹減った」って言う伊崎くん。

桐子は最初きょとんとするけど、何も言わずに微笑んでから部屋を出て、少ししてから握りたてホカホカのオニギリをお盆に乗せて持ってきて「はい、どうぞ」とだけ言って笑う。

そんでそのあとオニギリ無言で取ってかじった伊崎くんが「……………うめぇ、」ってポツッと呟くだろうし、それをにこにこしながら見つめつつ、オニギリと一緒に用意してきてた治療箱を開けて勝手に治療し始める桐子と、オニギリ食べながら割りとされるがままに勝手に治療されてる伊崎くんが浮かんで身もだえた1日……。

ッアあとそして伊桐の組み合わせは、アレで別にデキてるわけではないとかだと尚萌えるし、なんかくっついて夫婦になったとしたらこの二人は強面のじーちゃんとにこにこその斜め後ろをついて歩くおばあちゃんみたいなイメージ…もうホント意味分かんない…かわいすぎかよ……。

なんつーか、伊桐は表立ってイチャイチャしないだろうし、会話とかぶっちゃけ無いまま同じ空間でお茶を啜ってそうだし、ラブラブなのかと言われれば端目には首を傾げる勢いだと思うんだけど…こう、何の迷いもなくお互いを選んでるというか。
バカップルではないかもだけど、皆でワイワイご飯食べてる時にいきなり伊崎くんが普通に「桐子」って呼んで「はい、お醤油ですね」桐子がにこって当たり前な感じでお醤油渡したりとかしそう………………………ンアァ〜…ホント伊桐マジダークホース過ぎてどうしていいか分かんない…なんなの伊崎くん…鹿嶋くんにキレたりできる立場じゃないんじゃないの…?柚原兄がマジで実に遺憾の意を唱えるよ…?

どうせ伊崎くんてヤキモチとか妬かないんでしょ?
というか、妬く必要もなく桐子のベクトルは自分に向いてるし、逆に桐子も同じような認識だからまず浮気とか考えもしないしヤキモチとか妬く意味が分からないとかなんかそういう…そういう……ああ……伊桐………。

うっうっ…伊桐には和装結婚式で白無垢と黒袴着て欲しいし、まずこの二人は祝言上げるまで伊崎くんからは指一本触れたこととか無い勢いで居てくれても構わないし、いっそラブが一周して伊崎くんも最初人前では…とか軽くブレーキかけてたんだけど、ダメなんですか?って笑顔で不思議そうにキョトンと桐子に聞かれて、引っ付いてきた桐子を仏頂面のままor顔を逸らして手を広げて抱き留めるとかしてくれてもいいです……というか伊桐が幸せならなんもうホントなんでもいいです何なの馬鹿なの死ぬんじゃないの(私が)

ツラいです(幸せで)






伊崎くんと桐子とオニギリ/白

2015/11/20 17:54

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