▽聡くんの武器が短刀で航太の武器が拳銃


余裕綽々でゆったり構えてる聡くんと、壁から敵の位置を伺う慎重派な航太が浮かんでたぎったんですが

「航太って結構臆病?」
「慎重なんだよ!!」
「ふうん」
「ってオイこら!!!」

連携取って攻め込む算段だった航太を無視して、単身で敵へ向かっちゃう聡くんに舌打ちしながら壁から飛び出して後を追いながら聡くんの援護射撃していく航太が頭に浮かびます。

で、多分聡くんは視界に入る敵の位置から、航太が後ろからキッチリ片付けるであろうことを予測して確実に手近な敵を自らの手で消していくっていう…。

そして一掃してから航太が

「おっまえホントふざけんなよな!!何でこう毎回毎回タイミング合わせ無いで飛び出…っ!?」

キレてる航太の方へ聡くんが向いたと思ったら、間髪入れずに航太目掛けて短刀を投げてきた――と見せて、航太の後ろに居た敵が倒れると同時に

「…タイミング、ばっちりだったと思うけど?」

って人好きしそうな顔で笑う聡くん。

「しっ…心臓に悪いだろーが!!ビックリすんだろ馬鹿!!!」
「ええ?でも今のやってないと航太死んでたと思うけど」
「うぐっ…そ、れは……まあ、助かった、けど」
「けど?」
「…………」

笑ったまま近づいてきて、航太の後ろに倒れてる敵に刺さった短刀を慣れた動きで抜き取る聡くんに

「、どーも」
「うん?なに?」
「ドーモ!アリガトウゴザイマシタっつってんだよ!!!」

って背中越しに振り向いてすっごい悔しそうな顔で言う航太を見て、あははって笑う聡くん…?

はあもう取り敢えず、なんか洋画のアクション映画でよくあるコンビ物みたいに、真逆なタイプが組んで上手く行かなくなりそうかと思いきや、口喧嘩?しつつなんやかんや上手く立ち回る二人だといいです。

てか航太は拳銃の腕は割りといいし重火器も大体のものはある程度扱えるけど、スペシャリストってほどではないから…どっちかって言うと窮地に陥っても「っあ〜〜くそ!もうどうにでもなれ!」って運とか勢いとかで割りと上手くいっちゃうタイプなんじゃないのとか考えてました。

普段は基本的に聡くんが戦闘は引っ張ってくけど、予想外のことが起きて聡くんが動きにくくなったり動けなくなった時に、意外と機転の効いたことをして打開するとか…いや、後一歩及ばず、くらいで結局コンビで最終的に収拾つけそうか。
たまにミラクルを起こすくらいの航太?

あ、あとミラクルって言うか二人の戦闘イメージは、例えばだけど戦闘不能状態の聡くんを少し離れた場所へ残したまま敵前で一人、弾が後一発しか残ってない状況の航太が

『ヤバイヤバイヤバイヤバイ、これ外したりしたらマジで終わりだろクソッ…!聡もまだ回収しに行けてねぇっつーのに………いや、ダメだ弱気になんな俺、当たる、この一発は絶対に当たる……!!!』

――ガウンッ!

息を詰めながら必死で言い聞かせ、身を乗り出して引き金を引くも嫌なイメージの通りに弾は目標から逸れた壁に弾かれて自分の顔が歪むのを感じた。

「――ッ、クソ!!!!!」

自分の腕の悪さに悪態を吐きながら、こちらから放った一発に対して倍以上の銃弾が一斉に返されるのを凌ぐために、バリケードへ再び身を潜める。
もう、手元にあるのは弾を失った拳銃と小刀くらいのもので、しかもこの多勢に無勢。
ここで捨て身になってどうにか白兵戦にもつれ込めたとしても、大した功績を上げることのないまま呆気なく死ぬのがオチだろう。
バリケードを伝って背中に響く衝撃は、未だ止むことなく続いていた。度重なる銃撃に、壁は脆くなり始めている。

(時間の問題、か……)

何か策はないかと頭の中を巡らせても何も浮かばず、ぎり、と歯を鳴らすことしか出来ない自分に絶望しかけた瞬間。俺の目の前は、黒い何かで一気に覆われた。

「――――耳、塞いでて」
「ッ!?」

驚きに固まったまま、ピンッと硬い音がしたかと思えば耳を塞ぐ間もなく数秒後には激しい爆音と風圧がその場を支配して、頭がくらりとしたが、俺は視界がブレるのも構わず一気に顔を上げた。

「お、ま…聡!?何でここに居んだよ……!?」
「うん?ああ、少し前に意識が戻って…手数が欲しかったから、航太のところへ辿り着くまでに色々失敬してきたんだけど」

ポケットの中を見せるように広げて、今しがたと同じ物であろう手榴弾や装填用の弾を投げて寄越す聡に俺は苦い笑いが浮かぶのを感じた。

「ホンット、お前って抜け目ねぇよなぁ…」
「あはは、褒めても何も出ないよ」
「いらねーよ。…まあ、褒めたってとこは否定しねぇけど」
「へえ?否定しないとか珍しい」
「っせぇよバーカ。弾は後一発だしその最後の一発は見事に外すし、マジで俺使えねぇなって心底嫌気が差した時に助けが来たらそりゃあもう感謝もすりゃ褒めもするだろ」

受け取った弾を拳銃へ手早く装填しながら、ヤケ気味に言うと聡は心底真面目な顔で首を傾げた。

「?俺が来るまで航太が持ちこたえてたから、ここで食い止められてたわけだし…航太が使えないとか、言ってる意味がよく分からないんだけど」
「、っ…お前さぁ…いつもあんななのに何で時々そーいうことを……」

一気に脱力して、壁を背にずるずると座り込みそうになるがどうにか足に力を入れて姿勢を持ち直す。
からかいでもなんでもなく、心底理解出来ないといった顔で見てくる聡にの頭を叩いてやりたくなったが、今はそれどころではないのだ。

「っあ〜…しっかし…さっきので一旦静かになったけど、どう思うよ聡」
「うーん。正面突破は蜂の巣なんじゃない?」
「はあ…だよな。俺も同意見だわ。さて、どうしたもんか……」

頭を掻きながら、ごそごそと上着を脱いで足元に転がる破損した資材に袖を通して聡に軽く掲げて見せる。
張り詰めた空気。
肌を刺す気配。
まだ、この戦闘は終わっていない――…。

「ん。聡、位置確認頼むぞ」

言うのが合図とばかりに、返事を聞く間もなく俺はそれをバリケードの後ろから一気に突き上げた。
その動きに反応して、思惑通りに再び激しい銃声が耳を穿ち、視界の端で聡が腕を大きく振りかぶるのが目に入る。
そして、示し合わせていたように目配せして頷くと、爆発と共に上がる煙の中、今度はしっかりと耳を塞いで二人同時にバリケードから身を乗り出し、一気に進んで物陰へと滑り込んだ。

「っ、くぁあ〜…やっぱ、正面突破は無しで正解だったな…」
「そうだね。ああでも、案外正面からでも行けたかもよ?」
「いやそれ、確実に蜂の巣になるだろ…」
「あはは。風通しが良くなって涼しくなるとか」
「オイコラ聡、笑えねぇっつーの」
「ははっ、うん、いや、ごめんそうじゃなくて…なんか、さっきから弾数は多いけど狙いが甘い気がするのが気になって」
「…………」
「航太、どうする?」

戦場に不似合いなほど、穏やかな笑みで聞く聡に小さく唸って、俺は口を開いた。

「なあ聡、お前右と左…どっちがいい?」
「うーん…航太に任せるよ」
「って言うだけ言って丸投げかよ…!」

ある意味いつも通りと言えばいつも通りのやり取りに俺は少し、肩の力を抜く。
敵の位置からは、立ち込めていた煙のせいでこちらの居場所はまだ把握出来ていないままだろう。
次にあちらが俺達の姿を見留めた瞬間、照準をシフトするために生まれるタイムラグの間に、この戦闘は終わりを告げることになる――…はず、だ。
明暗を分ける選択に、深く息を吸って、短く吐き出す。
これは演習ではなく、実戦だ。
それでも不思議といつもこんな時、ふいに自分の直感が確信めいた物のような感覚に陥る俺は、どうかしているのかもしれない。…そんな俺に任せる聡は、もっとどうかしているかもしれないが。

『――――……右ッ!!!!!』

真っ直ぐに構えた拳銃を前へ向けたまま、飛び出した先へと一気に駆け出す。
同じようにして踏み出していた聡が前に出て、俺は視界にパッと映り込んだ鈍い光りに銃口を向けた。

――パァンッ!!!!

今度は間違いなく仕留めた手応えを感じながら視線を戻し、俺は再び、敵からの照準を散らすために低い姿勢でジグザグに走り込んでいく背中の後を追った。

(ああ、あれだけ絶望的な気分だったってのに…負ける気がしないとか、俺も現金な奴だよな、)

何だか、笑いだしそうになってしまう。その原因は、こんな時にだけ迷いなく預けられる目の前の背中だ。
一度駆け出した後は、決して後ろは振り返らない。
その意味を、知っているからこそ頭の中はクリアになった。

「――ッいっけぇええええええええええ!!!!!!!!」

聡の動きに合わせて、受け取っていた手榴弾を走る勢いを止めずに全力で投げ飛ばす。
続けておおよそ目測のついていた位置へ発砲しながら、応戦していた一人を丁度伸したところだった聡に合流して、腕を掴んだ。

「行くぞ!!!!!」

把握している限りでは、倒した数と今の爆撃、銃での牽制で、残っている数人はすぐには身動きが取れない状態になっているはずだ。
今の内ならば、ここを突破できる。
血がたぎるような高揚感に包まれて自分の口元が笑うのを感じながら振り向くと、聡はどこか呆けたような顔で俺を見て、それから吹き出すと声を上げて笑った。









みたいな、なんかそんな……‥んん?てか本当は一回書いたのがまるごと消えちゃって最初イメージしてたのと違う感じになっちゃったんだけどなんかそんな…こんな…ぶったぎりだけどこんなコンビかなくらいのイメージです…つか臆病者どころか出たとこ勝負過ぎる航太なのであった←

けど航太は聡くんみたいな子と一緒で初めて真価を発揮するタイプなのかもしれませんね。

とか勝手に書いてて思ったりしたのでありました(笑)



聡くんが短刀で航太が拳銃/白

2015/09/11 02:45

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