綾小路姉弟はなんというか、互いのためなら迷いなく死ぬことが出来るけど、蘭様のために死ぬ感じの人たちではないんだろうなあって思います。

それぞれに軍属の立場ではあるんだけど、真織も誠も、薄暗く先を見据えながら挑んでいるのは軍同士の大規模な思想論や陣取り合戦じゃなく、極々身近な一族内での戦いなので。

くだらないとか愚かしいとか、別に真織は蘭様の補佐役としてこなしてる白軍での戦闘や指揮系統中継なんかを無意味だと思っているわけでもなく、ちゃんと重要なことだって認識はしているんだけど、一族内での権力争いなんかと比較すると後者に気持ちが傾いちゃう。
でも、だからこそ真織も誠も姉弟(一族)での有事以外では何が何でも死ぬことはない、みたいな。

真織は蘭様のために死ぬ気なんて一切ない事を毛程も悪いと思ってはいなくて、誠くんのために死ぬつもりだって事を口にすることもなければきっと死ぬまで言う気はないはずなんだけど、蘭様は真織のそういう考えとかをちゃんと分かってて、分かられてるのを真織も理解してるんじゃないかな。
その上で、小さな子が悪巧みするみたいに目配せして「ふふ、」って笑い合う二人とか。

蘭様と真織はお互いに大事な友人であり、上司と部下ではあるけども、とてもハッキリとした線引きが二人の間にはあるのかもしれません。
端から見ればどこか突き放しているようで、一線引いてて、表面上だけの関係みたいに映るようでもあるんだけど、真織が真織で、蘭様が蘭様だからこその距離感というか。
理解してて、大事でもあるから、こういう形で傍に置けるし、支えていられる?
なんだろう?信頼してる、って感じなのかな?

「私は蘭のためには死なないし、死ぬ気もない。だけれど、だからこそ、私はこの場所でこうして蘭のことを支えていられる――…貴方と一緒にね。誠、」

…なんか、そういうイメージの真織。

真織は蘭様を友人として好きで大切で、上司としては気高くて好ましく感じてて、誠はそれよりもクールに姉の友人、蘭様は上司、程度の感覚できっと動いてる。そんな気がします。




蘭様と綾小路姉弟の距離感/白

2014/05/02 21:43

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