朝子はなんていうか、ダイハチに来なきゃ今の朝子にはなれてなくて、表面だけ世渡り上手な心の開けない客観的で冷めた子だったけど、時成さんを始め虎さんにノブ姉さん、蒼くん、喧嘩だってたくさんしたけどハチくんとか、少しずつ積み重ねた時間があって、今の自分があるって思ってる。家族って、きっとこんなふうなんだろうなぁって。

だからダイハチ関連で、朝子がハチくんとか蒼くんと仲良くしてて、引っ付いたり抱きついたりってことには家族とか姉弟愛みたいな感情しかなくて、鹿嶋くんに向けてる気持ちとは違ってる。

でもだからこそソレが原因で、ヤキモチを焼いちゃうというか複雑な気分になって戸惑ってる鹿嶋くんと朝子は喧嘩しちゃったりもして。
悩ませたり嫌な気分にさせてしまったり、なんでこうなっちゃうんだろうなあって落ち込むんだけど、それと同時にどこかでずっと、嬉しいなあって思っていたりもしてそうです。

ハルくんは今わたしのことを考えてくれているんだなあって、それから、私は今ハルくんのことを考えていんだなあって。喧嘩してても、避けられても、悲しくて寂しくて泣けてきても、そのすぐ傍にいつも、ハルくんがやっぱり好きだなあ、って気持ちがある朝子。

「なんていうか……フキンシン、とかってやつなのかもしれないんだけどね。ハルくんと喧嘩して離れてた間、ハルくんのことがね、本当に、すごく好きだなあって、前よりももっと思うようになったんだ。喧嘩して不安になったりするのよりも、アタシは今、すごく幸せなんだなぁって。……、まあ、ハルくんと一緒に待ち合わせて帰ったり、どうでもいいことで笑ったりしながら、ああ好きだなあって、ハルくんの目を見ながら嬉しくなるのがなくなって、やっぱりすごく、寂しかったりもしてたんだけどね。…ダイハチに配属されて、今のアタシになれて、今のアタシをハルくんが好きになってくれて、そんなハルくんをアタシが好きになることができて……、ハルくんに、会えてよかったなぁ、って。ずっとずっと、考えてたよ、」

なんか、そういうふうな思いがあって、鹿嶋くんにごめんねって思うよりも幸せな気持ちで満たされてる朝子な気がします。

そしてダイハチも鹿嶋くんも大事で、でも傾ける感情が違ってて、でもでも朝子はちゃんと両方掴み取るというか大切にしていける子だと思うよ…どっちの方が大事、じゃなくダイハチで大切にしてもらった今があるからダイハチも鹿嶋くんも抱えていける子だとお母さんは信じています。

抱き締めて、抱き締め返してもらえることに、鹿嶋くんが見せてくれる感情ぜんぶに生きていてよかったなぁ、私しあわせなんだなって、朝子はダイハチに来た日からを含めて実感してくれたら幸せです。私が。







鹿嶋くんと朝子が喧嘩をしたら(side朝子)/白

2014/04/22 17:02

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