supplement:
夕焼け色に染まる長い廊下を歩きながら、ふと先程の出来事を思い出して口元が緩みそうになる。
なぁ、玄野。
あんたの言ってたことは、半分当たりで半分外れだ。
俺は人間に興味がないんじゃない。
―――この世界のすべてに、ただ意味を見い出せないだけなのだ。
歪んだ死生観の果て。
もしもあんたとの出会いが運命であるならば。
それはきっと、“自分”という存在が確立される合図だろう。
……だから、今は。
「魚心あれば水心、か」
どうか、溺れる魚になってくれ。
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