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『兄上、』
「ん?どうした、そんな改まって」
『今日は兄上に会わせたい人がいます、会って頂けますか?』
「あ、ああ、いいがその会わせたいという奴は誰なんだ?」
『兄上もよく知っている方です、少し待っていて下さい』
「?」



「久しぶりだな、真田」
「て、手塚!?なぜ、貴様がここに」
『兄上、私、国光さんと』
「待て、俺に言わせてくれ・・・」


「真田、いや、お義兄さん、妹さんを僕に下さいっ、結婚を許して下さいっ」


「・・・き、きぇええええぇぇ・・・」


ぱたっ・・・―――


『え、あの兄上!?兄上大丈夫ですかっ』
「お義兄さん!!名前、水だ、水を持って来るんだっ」
『は、はいっ』


パタパタパタッ・・・


「真田、真田、大丈夫か?」
「う、てづ、かっ・・・手塚ぁああ、いったいどういうことだ!!!なぜお前と名前がっ」
「隠すつもりはなかったんだが言うタイミングが無くてな、俺が中三の時から交際をしている」
「っ・・・もうかれこれ8年だ、とっ・・・き、貴様ー、俺の可愛い名前を」
「俺は本気だ、名前しか考えられない、だから俺たちの大学卒業と同時に結婚しようと・・・」
「ゆ、許さんっ!!!名前にはまだ早い!!それに相手が貴様だというのが気に食わん、帰れっ、今すぐ帰れ!!!」
「真田・・・分かった、今日はこれで帰るが、俺は諦めないっ」
「くどいっ」



『兄上、国光さんは』
「あいつの名前を出すなっ」
『でも、私っ』
「名前、お前にはまだ早い・・・頼むから、よく考え直してみなさい」
『私は国光さんを愛していますっ』

「・・・兄の俺のことは愛していないのか?」

『っ・・・そんなことっ、愛しているに決まってますっ!!!』
「なら頼む、もう少しだけっ・・・俺の、俺の名前でいて、くれっ・・・」
『あに・・・う、え・・・』
「頼むっ、頼む・・・」


『あにうえー』
「ん?名前、どうしたんだ?」
『わたし、おおきくなったらあにうえとけっこんするっ』
「けっ・・・こん?」
『すきなひとどうしがすることなんだってっ、あにうえもわたしのことすきでしょ?』
「っ・・・ああ、おれがせきにんをとっておまえとけっこんするぞ!!」
『えへへ、うれしいなー』



「名前っ・・・まだ俺の元にいてくれっ」




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テーマ「人外ファンタジー」
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