zzz-s | ナノ
突然やけど
俺には彼女が居んねん
小春ちゃうで？
れっきとした女や、女
ん？
知ってる？
まーええやん、静かに聞けや
でな
そいつは、俺も認めるほどの
漫才のセンスがあんねん
特に俺と同じモノマネが
まー俺の方が上手いんやけどな
でな
頻繁に俺をモノマネで騙すんや
これがほんまムカつくねん
やけど
ほんまはそんなあいつも好きやねん
でも
モノマネするあいつより
俺は
『ユウくーんっ』
こ、小春や！！
ちょい、行ってくるわっ
「こはるー！！」
『あはは、またひっかかったー』
「名前っ」
『小春へのユウジの愛もまだまだやなー』
「くっ・・・ほんまにむかつくわ！！」
『そんな事言わんといてよ、ユウくん』
「す、すまん、こはるー・・・って小春のものまねすんなや、ぼけー！！」
『ユウジ、可愛すぎやで』
「くそ・・・名前、そないな悪戯、したらあかんで？」
『く、蔵！？』
「あんまり言うこと聞かへんと、俺が悪戯するで？」
『ひっ・・・ユ、ユウジもう止めてや！！』
「もうせぇへんか？」
『しませんっ』
「ほな、許したるわ」
『ユウジー』
「ん？」
『好きって言って』
「なんやねん、いきなり」
『ユウジの声が聞きたくなったんだもん』
「・・・あほ、いまも聞いとるやろ」
『けど・・・ね、お願いっ』
「っ・・・しゃ、しゃーないなー」
「好きやで」
『私も好きっ』
さっきの続きやけど
モノマネして生き生きしてる名前も好きやけど、やっぱり
素の名前が一番好きやっちゅー話や
なんやねん、謙也
はっ、そやで
これはのろけや、のろけ！！
悔しかったら彼女でも作ってみーや
このヘタレスター！！！
終