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「ねぇ、」
『ん?』
「今日ってさ・・・」
『?』
「・・・何でもない」



「名前、」
『なに?』
「・・・今日って何日?」
『えーっと・・・31日だよ』
「・・・そう」
『リョーマ、もしかして・・・なにか予定あった?』
「え?」
『だってさっきから今日のこと聞いてくるし・・・もし、予定があるなら私、帰るよ?』
「違うっ・・・そうじゃなくて、」
『いてもいい、の?』
「・・・うん」
『えへへ、リョーマ大好き』
「・・・」
『こーやって二人で会うの久しぶりだもんね』
「・・・あのさ、」
『どうしたの?』
「今日って・・・10月31日だよね?」
『そうだけど、ねぇ、ほんと今日のリョーマ、変だよ?』
「・・・」
『何か悩みがあるの?』
「・・・名前、」
『ん?』

「・・・パーティー、しないの?」

『えっ?』
「・・・今日、ハロウィンでしょ?」
『ハロ、ウィン?・・・そういえば、そうだね・・・日本じゃあんまりクリスマス程、盛り上がらないから忘れてた』
「パーティーは、しないんだ・・・」
『うーん、する人もいるんだろうけど・・・一般的にはあまりしないかな』
「そうなん、だ・・・」
『・・・リョーマ、もしかして』

『ハロウィンパーティーしたいの?』

「っ・・・そんなんじゃっ」
『だからさっきからそわそわしたりしてたの?』
「だから違うって!!!」
『ふふ、しよっか、パーティー』
「・・・えっ?」
『私も一度かぼちゃとかくり抜いたり、仮装したりしたかったんだー』
「・・・名前、」
『早速、買い物行こうよ、うわー楽しみだなー』
「・・・」
『リョーマ、ほらぼうっとしてないで出かけるよ』
「・・・うんっ」
『何買おうかなー、まずはかぼちゃにろうそくに」

「・・・名前、ありがと」

『ん?なにか言った?』
「何にも!!というか、日本じゃパーティーってしないんでしょう?名前、なにするか知ってるの?」
『な、なんとなく?かぼちゃとか、かぼちゃとか・・・』
「ハロウィン=かぼちゃしかないの?」
『うー、リ、リョーマは知ってるの?』
「俺が昔、どこに住んでたか分かる?」
『あっ、そっか!!リョーマ、アメリカに住んでたんじゃん』
「そうだよ」
『よかったー、ほんとはよく分かんなかったんだよね』
「そーだろうと思った」
『むー、もうほらさっさと行くよ!!』

「はいはい・・・名前!!」


「好きだよ」






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テーマ「人外ファンタジー」
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