zzz-s | ナノ
コンコンッ・・・


『はーい』
「名前、」
『ひかにぃ、お帰りなさーい。どないしたん?』
「お前、明日帰ってくんな」
『・・・えっ?』
「出来るだけ、遅く帰ってきー」
『な、なんでなん?』
「・・・それだけや、じゃあな」
『ちょっ、ひかにぃ!!!』



『って言われたけど、なんやめっちゃ気になる!!』
「名前ー、それ彼女来るんやない?」
『だ、誰の?』
「あほー!!あんたの兄貴のや!!」
「あないにカッコええんやから彼女の一人や二人おるやろなー」
『ふ、二人って・・・』
「やけど名前はまだ彼女さんみたことないんやろ?」
『うー・・・』
「まー、見てへんのもしゃーないわな」
『なんで?』
「やって、なー?」
「しゃーない、しゃーない」
『二人ともなんやねん』

「「あんたの兄貴、シスコンやもん」」




「「お邪魔しまーす」」
「ほんま、邪魔なんで今からでも帰って下さい」
「先輩に向かってなんやねん!!」
「はー、家来たっておもろくもなんともなんに」
「財前は家ではどんなんかめっちゃ気になるやん」
「白石部長・・・」
「早よう、自分の部屋に案内してーや」
「・・・(なんやこの人、ほんまずうずうしい)」

「ここっすわ・・・」
「ん?財前、お前男兄弟だけやんな?」
「・・・そうっすけど」
「隣の部屋・・・」


ガチャッ・・・―――


「何勝手に開けてんねん!!!」

「・・・っ」
「・・・ほー」
『こ、こんにちわー』
「・・・なんでおんねん」



『あ、あんなー、気になってん・・・けど、ひかにぃ怒るやろから部屋に・・・』
「・・・はぁ」
『怒った?』
「・・・怒ってへんわ」
『ごめんなさい』
「しゃーない、名前」
『ん?』
「ただいま」
『えへへ、お帰りなさーい』
「お二人さん、俺らの事忘れんといてーや」
「・・・はぁ、ほんまに先輩らウザいっすわ」
「えっと、財前の妹さんやんな?名前ちゃんって言うんやね」
『は、はい』
「ふふ、可愛ええなー、俺は白石蔵ノ介や」
「お、俺は忍足謙也や、よろしゅう」
「名のらんでええっすわ、一生呼ぶ事もないんで」
『ひ、ひかにぃ』
「名前は早よう自分の部屋に入って、鍵閉めときー」
「ちょ、なんやねんそれ!!俺らは猛獣か何かか!?」
「猛獣よりたちが悪いっすわ、特に・・・」
「名前ちゃんは小学生やんな?何年生?」
『え、あっ・・・6年です』
「ほな、来年は中学生かー、どこの中学に行くん?」
『ひかにぃも居るし、四天宝寺に行けたらなーって』
「ほんま!?じゃあ、後輩やな。何か困ったことあったら相談してや、これ俺の連絡先、あとで連絡してーや」
「人の妹、ナンパするん止めてもらえます?それにあんた来年はいませんから」
「ナンパやないわ!!俺、名前ちゃんに一目惚れや・・・兄と言えども人の恋路の邪魔したらあかんで!!」
『えっ・・・白石先ぱ、い・・・』
「白石やない、蔵ノ介って呼んでや」
『っ・・・』
「し、白石!!!お前、」

「ず、ずるいやんけ!!!俺だって、名前ちゃんのことっ!!」

「ほんまに止めてもらえます?」
『ひ、ひかにぃ・・・』
「名前、気にしたらあかんで、この人らはっ」

『どないしよ、めっちゃ心臓どきどきしてるっ』

「っ!?」
『名前、告白されたん初めてで・・・どないしたらええか、分からんっ』
「「!!(か、可愛ええ!!)」」
『どきどきするんは恋やって、ゆりかちゃん言ってたもん』
「ゆりかって誰やねん、死なすぞ!!」
「そうやでその子の言う通りや、これは恋や・・・俺と名前の、な」
『・・・白石先輩』
「きっかけなんて関係ないわ、これからゆっくり愛を育もうや」
『・・・忍足先輩』


「「好きやで、名前」」


『っ!!!』
「・・・認めへん」
「財前、俺たちは本気なんや・・・だから」


「あんた達より俺の方が名前のこと好きなんや、あんたらには名前はやれへんわ」
『ひかにぃ・・・』
「そういうことなんで」


ぎゅっ・・・―――


『きゃっ』
「帰ってください」



バタンッ・・・―――



「謙也・・・諦めたらどうや?」
「あほかっ、白石こそ止めたらどうや?」
「・・・俺な、困難な程燃えるタイプやねん」
「知ってるわ、あほ」
「ほな、帰ってこれからのこと考えるとしよかー」
「・・・負けへんで」
「ふん、言うてろ」





『ひかにぃ、』
「まだ名前は俺のや、俺のそばに居ったらええ」
『ふふ、私もひかにぃのそばにまだ居りたい』
「あたりまえや」
『・・・なぁ、もっとぎゅってしてや、ひかにぃのぎゅう、好きやねん』
「・・・ええで」


「名前、好きやで」






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