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「名前」
『若お兄ちゃんっ、どうしたの?』
「どうしたじゃないだろ、これ忘れていっただろうが」
『あ、ごめんなさいっ!!』
「気をつけろよな・・・今日ははやく終わるから、教室にいるのか?」
『え、えっと・・・』
「日吉先輩、名前、呼び出しされてるんですよー!!」
『ちょっ・・・』
「それも2年でサッカー部レギュラーの佐藤くんから!!絶対告白だよねー!!」
「そうだよ!!」
『ち、ちがうよ!!佐藤くんとは委員会が一緒でその時、貸した本を返してもらうだけだよ!!』
「そんなの普通に休み時間に返せばいいじゃん!!」
「名前はほんと天然なんだからー、そこが可愛いんだけどねー」

「・・・名前、来い」
『あっ・・・』

「あーあー、日吉先輩かっこいいいなー」
「あんな人がお兄ちゃんなんて名前が羨ましいよねー」
「うんうん、それも溺愛されてるし」
「でもさ、私、日吉先輩も羨ましい」
「分かるー、あんな可愛い妹がいたらたまらんね」
「もう、おっさんみたいになってるよっ!!」
「あははは」


『お兄ちゃんっ!!痛いよっ!!!』
「・・・」
『ねぇ、若お兄ちゃ・・・』


ぎゅっ


「・・・名前、名前、名前っ!!」
『っ・・・駄目だ、よ・・・』
「お前はっ・・・お前は俺のだっ!!!」
『お兄ちゃん、聞いて、私たちはっ』
「嫌だ、聞きたくないっ!!」
『あっ・・・ん、やめっ・・・』
「なぁ、若って呼んでくれよ・・・」
『ふぁ・・・やっ・・・』
「若って・・・呼んで、くれ・・・よ・・・っ」
『んんっ・・・わか、・・し・・・』
「名前、好きだ、好きなんだっ」
『っ・・・』

「どこにも行かないでくれ、俺の元に・・・いて・・・く、れ・・・」






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