これのつづき あいつが志村のことをどう思ってるかなんて、一目みただけでわかった。あいつの志村を見つめる目はなんとなく俺と似ているから。しかし、目線の先の志村はそんなことにも気づかずにあいつと二者面談をすると行ってしまった。無防備にもほどがあるだろう。もし俺があいつだったら、このチャンスは絶対に逃がさない。だから、たった今汗だくで職員室に飛び込んできた志村はあいつの本性を見たんだろう。あいつはチャンスを逃がさなかった。 「志村?」 「土方、先生」 「…どうした?」 わかりきっている事を聞く俺は相当意地が悪いんだろう。けど志村はそれに気づかないから、無理矢理笑ってなんとかやり過ごそうとする。 「あ、なんでも」 「…ないってか?」 「え、」 俺だって、絶好のチャンスを逃がす気はさらさらない。志村を掻き回して申し訳ないとは思うが、他のやつのものになるくらいなら俺に振り回されてほしい。回りは忙しなく動いてるから、俺達の事は見向きもしない。少しだけ息を乱し頬を赤くした志村の手を引いて、準備室に連れ込んだ。 「ひじかた、っ」 「俺とあいつだったら、どっちがいい?」 腕の中に閉じ込めると、志村からほんのりあいつの香りがして無性に苛ついた。もっと強く抱き締めて、俺だけを見て。 「俺にしろよ」 俺の大事な同僚 ───── 続編 |