掃溜 | ナノ



▽誰かとしえみ





眠って起きたら、隣にしえみがいなきゃ嫌だ。だから離さないために、眠る時は必ずしえみを腕の中に閉じ込めてから目を瞑る。しえみはそれを恥ずかしいから嫌だと身をよじるけど、本気で拒否しないあたりそんなに嫌じゃないんだと思う。しえみは恥ずかしがりやだからそれもしょうがない。そして今日の朝も、腕に温もりを感じて起きる。はずだった。


「しえみ…?」


起きたら誰もいない。寝起きの悪い俺でも一瞬で目が覚めた。