掃溜 | ナノ



▽陸姜




「帰りなさい伯約。でないと、酷いことをしますよ?」


伯言になら何をされてもいいと思った。私たちは恋仲だったのだ。それはもう昔の話だけれど、私は未だ、伯言から離れることができない。


「伯言、どうして…」
「…いいですか?私とあなたは敵同士」


双剣の切先が首筋にあてがわれ、そこに赤い筋を作る。そして、もう戻れないことを悟った。


「いきなさい、…姜維殿」


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いつかはこうなる運命