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「自慰をしなさい」
冷めた目で見つめられ、酷なことを命令されればされるほど興奮を覚える。自分の身体をこんな風にしたのは明らかにこの男で、しかし逆らいたくても逆らえない。後に与えられる快楽の味を知ってしまっているはしたないこの身体は、男の言うことを素直に聞き入れてしまう。悔しくてたまらなかったが、下唇を思いきり噛み締めてそのまま下肢に手を伸ばした。
「そんなに噛んだら、血が出てしまいますよ」 「うる、せ」
手を伸ばすとそこはすでに濡れていて、興奮すると同時にそんな自分を恥じた。泣きそうになりながら行為を開始すると、男は満足そうに笑みを溢す。
「いい子ですね」
――――― 力尽きた
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