掃溜 | ナノ



▽水栄





「すきだよ」
「ふふ、ありがと。俺もすきだよ、水谷のこと」


何十回目かの告白。もしかしたら百をとうに越えているかもしれない。それでもまだ、栄口には届かなかった。きっと見つけてさえいないのだろう。これから先もずっと見つかることなく、俺のおもいはしぼんでいく。消えはしない、しぼむだけ。そして、ふとした事でまた膨らみ始める。受け取ってさえくれないのに、俺は栄口に不毛な恋心を抱き続けるのだ。