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俺が起きた時には部長はもう起きてて健康体操っちゅー怪しい動きをしてはった。朝っぱらからいつも通り爽やかキャラの部長。そのどや顔を寝起きから見てなんやキモいわほんま。
「昨日は白石ん家やったけど今日はどうするんや?」
「我が家へ帰りたい」
「なん言ってんねん。こんなおもろいイベント逃すかっちゅーねん」
「おもろい?」
「君はペット、財前光バージョンっちゅー話や!」
そう笑顔で話す謙也君をグーパンチしたのは言わずもがな。何がペットやねんあほ。
部活も終えてあれよあれよという間に謙也君に引っ張られて見慣れた家に到着した。ここが本日の宿泊先ってことやな。
「お邪魔します」
「あらー、光君おかえり!あと謙也も」
「なんで俺がついでやねん!」
「光君疲れたでしょーこんな子と一緒で。まあゆっくりとしてってね」
「世話になります」
なんやぶつくさ言ってる先輩をほってそそくさと2階へ上がる。勝手知ったる謙也君の部屋。ドカッとベッドに座ると手元にあったいかがわしい雑誌を手に取る。つまりエロ本。
「ふーん…先輩て洋モノが好きなんや」
「あれ?そんなとこ置いてたっけ…。俺的にこの人がいっちゃんエエと思うわ」
「こっちよりこっちやろ。てかなんでこんなデカイねん。先輩て巨乳好きやな」
「光は貧乳好きやな。なんか幼女チックな人」
「二次元では鉄板っすわ」
「でも実際やとないよりある方がええやろ?」
「これやからお子ちゃまは」
「なんやと?!」
「ちょっと控えめな感じがええのに…これやから先輩わかってないわ」
あーだこーだ喋って夕飯とお風呂を頂いた。パソコンで普段見てるブログを確認して動画サイトを物色。謙也君のお気に入りを開こうとしたら物凄い勢いで阻止された。ぜったいエロ動画入ってるな。
「光って作曲するんやんなあ。こういうソフト使って動画上げたりするん?」
「たまにしますよ。でももっぱら見る側っすわ。まあ関連のソフトやゲームは持ってますけど」
画面には俺の嫁が可愛らしい声で踊りながら歌っている。あまりにもにわかが増えて一時期怪訝になったけど、やっぱり可愛いわほんま。
「なんやコスプレでも人気なんやろ?」
「ああいますねえ。極稀にお似合いな人もおるけど大概ハズレばっかの残念なレイヤーやわ。もうちょい鏡見ろって言いたなる。てかこの可愛らしさを真似しよっちゅーんがそもそも無謀やな。まあ所詮自己満やけどそれをわざわざ世間に晒すっちゅーんがなんか許せん。あと、」
「ああああ、もうええてわかったわかった!」
「まあレイヤーには興味ないからええんやけど」
パソコンから離れると急に善哉が食べたくなった。それを伝えると「コンビニでも行こか」と謙也君が言った。普段謙也君ん家に泊まりに来てるテンションと同じやから明日も学校あると思えばものすご怠く感じた。
あー、明日は誰ん家泊まるんやろ。