ss | ナノ
「あ、来週からハワイ行ってくるし留守番よろしくね」
「ハ?」
「海外とか久々で楽しみやわー!大丈夫、光のお土産買ってくるわよ。」
来週からどうやら一人で留守番することになった、らしい。てか来週て明後日やん。
「…ということなんや。で、これから一週間この光をみんなで面倒見よか」
「ハ…?てかなんで部長が知ってるんすか?」
「ママさんから不甲斐ない息子をよろしくお願いしますって連絡きたねん」
「さすが蔵りん!人妻キラーやねえ!」
「やろ?」
「いやいや、いくらなんでも後輩のオカンはあかんやろ」
部活後、緊急ミーティングっちゅー題目で集められた。いやいや、一週間ぐらい一人でいけるし。てか俺はなんや小学生かい。
「一人で大丈夫やし」
「光のことやったら絶対不摂生になるっちゅーねん!」
「そうそう。ここはうちら先輩らに任せて!」
「いや、ウザいっすわ」
「で、どうする?今日は俺ん家来るか?ほかいけそうな人いるかー?」
部長の言葉を皮切りにわいわい話し出す先輩達。今ここにいるんは部長・謙也君・小春先輩・千歳先輩(この人はさっきからソファーで寝てるけど。)一氏先輩と師範は用事あるらしくって先に帰ったらしい。
「ちょ待ってくださいよ。ほんまいらんお節介っすわ」
「まあええやん、楽しいし」
(俺は楽しくないわ)
「とりあえず今日は俺ん家来たらええわ。明日は謙也で明後日小春あたりやな」
「……俺に拒否権は、」
「ないなー!」
ああ、もうええわ。
時には潔さも必要やな…。