5万打企画 | ナノ


最初は特になんも印象に残らん奴やった。ただのクラスメイトで控え目な女子っちゅー在り来たりな存在。容姿やって飛び抜けて美人でもないし可愛くもない。でも振る舞いや温和な喋り方やったり、友達とおる時に見せる純粋な笑顔にいつの間にか目で追うようになった。ああ、これが好きっちゅー感情やねんなあ……と気付いたのは案外早かった。


多少強引な感じで告白するとひなは恐る恐る俺を見て「私も、好きです」と答えたのを昨日のように覚えてる。同じ時間を過ごせば過ごすほど愛情は深まり、ちょっとのことで赤面したりおどおどする姿がとても愛おしくなる。容姿とか関係なく、川瀬ひなという存在すべてが可愛くて愛おしい。



「ユウジ君…、」
「なんや?」
「その…ちょっと、近い」
「ふーん。そうか?」



今は昼休みで屋上に来てる。こんな晴れた日の屋上はとても心地好い。3回に1回は千歳がおるけど今日はおらん。アイツまだ学校に来とらんな。進級出来んかったら盛大に笑ってやろう。


誰もいないということでここぞとばかりに彼女に触れる。日頃部活であまり一緒におれんから軽く欲求不満。嘘、かなり欲求不満。最初は軽く手を繋ぐだけだったが次第とその手はひなの身体へと伸びていく。



「相変わらずめっちゃ白いな。太ももとかヤバいんちゃう?」
「…っ、こそばいよ」
「白過ぎやろ」
「め、捲らないで!」
「なんややらかいなあ」



スカートに隠れた太ももへと指をなぞる。そこはめっちゃ白くてふにふにと柔らかい。当たり前やけど俺のんとは全然違う。あーこの触感が堪らん。抵抗するその姿を見るとぞわぞわと加虐心が奮い立つ。



「なんやねん。普段全然喋らんと大人しい癖に反抗するんや」
「だって…!」
「俺が話振らんと喋らんやん。まあそんな大人しいとこも好きやけど」



そう話しながら頬へと手を伸ばす。透き通ったその肌はほんのりと紅潮してヤラしさが際立つ。耳に吐息を吹き掛けるとビクッと動くその身体。あーおもろ。おもろくてほんまかわええ。



「知ってる?嫌や嫌や言われると余計やりたくなるねん」
「っ、やだ」
「ほらそれ。ほんまお前ってアホでかわええなあ」



頬に軽くキスを落とし、頬に添えた手を腰に回す。もちろんこのままここで行為をする気なんて毛頭ないけど、ここまで嫌々言われるとつい先走りそうになってまう。この空気にひなはヤバいと感じたのか本気で焦り出した。



「…あの、学校だよ…?」
「そやなあ」
「……」
「……」
「っその、」
「なんや?してほしいん?」



そう耳元で囁くと目を見開いてこちらを見る彼女。太ももに置いた手が自然と悪戯に肌を滑っていく。



「…!ここじゃ、やだ…」
「ふーん。ほなここやなかったらされたいってこと?へー…淫乱になったもんやなあ」
「っ違うよ…〜〜〜もう!」



涙を浮かばせながらそう訴える彼女が愛おしくて愛おしくて……(ああ、このままコイツと堕ちたい。)


思考の果てへと堕ちる最中、この気持ちを打破するかのように予鈴のチャイムが鳴り響く。名残惜しげにひなから手を離し、怠い体を立ち上がらす。座ったままの彼女を見下ろす。優越感とも独占欲とも言えるこの景色は案外好きで、自分はやっぱりサディストだと再認識した。



「いや、あながちこれも模倣犯かもな」
「え……?」
「チャイム鳴ったで。なんや、続きしてほしいん?」



ふっ、と笑うと真っ赤にしたひなが慌てて立ち上がる。出口へと足を進めると、俺の影とひなの影が少しだけ重なり合った。扉の前でひなが来るのを待ち、ドアノブへ手を伸ばす……が、その手を彼女の腰へと伸ばす。



「なーんてな。俺がこのまま帰すと思う?」



驚いた表情のひな。だがその裏側はきっと期待と待ちわびた表情のはず。あー…俺ってまだまだ子供やわ。




あげちゃえよ
(その期待に応えよう。)


20110330


Thanks:瑠霞ルカさん!
(大人しいヒロイン・甘)
甘…なのか?!盛んな一氏になっちゃってすみません。