小説 | ナノ
*若干不謹慎的な話かもしれない
皆さんは人が事故で死んでしまった時、どのように金が払われる額が決まるか知ってる?
保険に入っている場合は彼らが肩代わりして払ってくれるのだが、一番値段が高くなるのがこれから働きだす、または働いてまだ若い人。そして逆に老人は安い。
理由は大抵の方ならお察しの通り。
前途ある若者はこれから莫大な金を生み出す可能性からだ。一所懸命働いて昇格して給料が増えていたかもしれないからね。
老人は計算するのがとても簡単だ。主に収入が年金しかないから。日本人の平均年齢−死んだ年齢のその差の間に払われるはずだった年金の額って感じ。
ね?わかりやすいでしょ?
ちなみに一応は前途ある若者に含まれてた私は、きっと一千万は優に越える値段だったんだろうなぁ……
いや、一千五百までいったかな?いやいや、それ以上だったのかも…
「でぇやっ!」
誰かの力んだ声と何かを振り下ろす音が聞こえ、それにかぶさるようにしてぷぎゃー、と魔物の断末魔が聞こた。
声の方に振り向くと魔物の肉体は黒い粒子となり弾け、魂が出現した場面であった。
一名様ご案内ーってね。
おそらくこの世界の生きている生物には見えなくなってしまったが、確かにそこに存在していて私には見えるボコブリンの魂は右左をキョロキョロしていた。
私はその魂に近づき、くいっ、と空を指す。
普通は何の変哲もない空に見えるのだが、私たちの目には所々キラキラと輝いて見えていて。
そこを教えたことによって魂は自分の行くべき場所を理解したのか、空高く昇っていった。
「無事行った?」
「うん。」
音もなくリンクの隣に降り立つ。
「今ので何匹目だっけ?」
「30匹目です、マスター」
リンクの素朴な疑問に律儀に答える剣の精霊、ファイちゃん。私もうっかり忘れていたから有難い。
彼らの命の値段は私にはわからない。もしかしたら結構お値段するのかも。でも量産型っぽい気もするから安いのかな?
こんなことを考えてもリンクが魔物のボスに訴えられてルピー(確かこの世界の通貨はこんな名前だった)を払うなんて、そんな場面想像つかないけど。
けどまぁ、
「私のノルマのためにも頑張ってね!!」
ちなみに百匹なんだけど。
∵以下、勝手な設定
大地の汽笛の幽霊ゼルダ姫みたいに頑張る幽霊?夢主。
ちなみにトリップにはありがちな事故に遭って、という設定。(しかし生身ではない)
ゼルダの世界で死した魂の案内人的なものに何故か抜擢された。なので幽霊。しかし1メートルくらいまでしか浮遊はできない。何故だ。
きっとノルマをクリアすればレベルが上がってチート的なこともできると思うの。
たぶんリンクとファイにしか見えない。でも魔力のある人も見えるかもしれない?
彼らの旅に付いてきてるのは魔物を倒していくから効率よく案内ができるんじゃないかと、ズボラ的なことを思って。
初期状態でもマスターソードだけは触れる。
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