小説 | ナノ



突然だが、皆さんはロフトバードと言うとどれくらいの大きさを想像するのか。

恐らく大抵の人が我々の背丈よりも高さがあり、羽を広げればゆったりと人を背に乗せて飛べるくらい、と答えるだろう。

この答えは勿論正解だ。
しかし、残念な事に私だけこれに当てはまらない。



「お帰り、コッコ!」

「クアーッ!」



リンクに手紙を出しにお使いを任せていた相棒のロフトバードが帰ってきた。
この子の名前はコッコ。全体的に白い体で頭の一部が少しだけ赤い、かっこいい相棒だ。
ちなみにどこかで見た資料にこの子に似ている生き物を見つけたのでそこから名前を取っている。

ここまでの話だと普通のロフトバードと変わらないじゃん、と思われるかもしれないが私の相棒はちょっと普通とは違うのだ。

色が珍しいのかって?
確かに色が薄いロフトバードはたくさんいるが白はあまりみない。
でもそれは些細な違いに過ぎない。
決定的なものは、コレ。



「クアッ!」

「はいはい、ちゃんとあるよ。」



普通のロフトバードが顔を出す窓から中に入ってくる相棒。

そう、この子はとても小さいのだ。ロフトバードだと思えないくらいに。

私を乗せて飛ぶなんてことなんて到底できない。せいぜい彼に捕まっての滑空ができる程度。
でも不自由はしていない。
1匹で飛ぶだけなら私の相棒の方が他のロフトバードより速いし、風を読むのも上手い(断言できる)。
お使いだって素早くこなしてくれるし、一緒に寝ることもできる。
そして何よりこの子は賢い!

とにかく私の相棒は欠点を有り余る利点で克服してるスーパーロフトバードなのだ!!



「クアッ、クアッ!」



家に入ってきたコッコが羽を大きく広げ、ねだるように觜の先で私の手を軽くつつく。
どうやらさっきから甘い香りを漂わせてるアレが待ちきれない様子だ。

お使いを終えたばかりコッコに焼き上がったばかりのクッキーを一枚あげる。お駄賃のつもりで。
彼はそれが美味しかったのか、しきりに羽をバタバタとさせていた。
何この生き物。超可愛い。



「っなまえ、大丈夫!?」



喜びを体で表すコッコが本当に可愛くて抱っこしていたら、ひどく慌てた様子のリンクがやってきた。



「おっ、早かったねー。」

「え?えっ?」

「焼きたてのクッキーがあるんだけど食べる?」

「……………俺を呼んだのってそのため?」

「うん!」



さすがリンク。状況把握が早くて助かる。



「……はぁ、なんだよ。『至急来られたし』ってだけだったから何事かと…、」

「ふふっ、心配してくれてありがとう。」



ほとんどの食べ物は出来上がりが一番おいしい。
リンクにもこの力作のクッキーを食べて欲しくて私は手紙を出した。彼が早くに来てくれるように、必要最低限の内容だけ書いて。
優しいリンクはまんまとそれに引っ掛かってくれたわけだ。


「はい、召し上がれ。」


さっきからもっと欲しい!と自己主張してくる相棒に全部食べられる前に、急いで来てくれたリンクにクッキーを差し出す。
これで私が紅茶を準備すれば全て完璧ね。





(優雅なティータイムはいかが?)






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