久しぶりに二人で遊びに行こうやって話になって俺は3日前からワクワクしながら日曜を待った。しかしいざ今日を迎えると生憎の雨。昨日まで暑いくらいに晴れとったのに。今日はじっとりとした暑さしかない。 「せっかくの休みやったのに‥」 「雨じゃ仕方ないよね」 「なんか‥ごめんな?」 「なんで謙也が謝んの」 「いやうん、なんかごめん」 変なの、と名前が軽く笑った。なんやもう、せっかく名前が行きたがっとった遊園地に連れてったろうと意気込んだっちゅーに。結局今日は俺んちでゆっくりすることになった。名前とおるんならどこでもええんやけど、やっぱり、なあ。 「謙也、落ち込みすぎやて」 「久しぶりに遊ぶんに‥雨て、雨てどないやねん」 「謙也までジトジトしないでやー」 床に座って月刊プロテニスを読んでいた名前がそれを閉じて机の上に置いた。それからベットに腰かけてうなだれる俺の隣にちょこんと座った。 「俺が楽しみに待ちすぎたせいかもしれんわ」 「なにそれ」 「久しぶりに名前と二人で出掛けるからって、張り切りすぎてん、お天道様のかんに障ったんや」 「あは、謙也なんか今日かわいい」 「なんでやねん」 名前が隣で可愛い顔して笑った。アホ、可愛いんはお前の方やで。 「それなら、あたしもお天道様に嫌われちゃったんやなあ、きっと」 「なんでや?」 「だって、あたしも昨日楽しみで眠れなかったんやもん」 名前もそんなに楽しみにしてくれてたのかと思うと、ものっそ嬉しいのと同時に余計に今日の天気が恨めしく思えた。お天道様、こんなに可愛い名前の楽しみを奪うなんて、あんたは悪魔やで。 「でも、あたしは謙也がいればええから」 「へ」 「だから‥謙也と会えるだけでええから、天気なんか気にならないねん」 そう言って名前は頬を少し赤らめながら、俺の肩に寄りかかってきた。なんやねん、お前可愛いんやて!俺かてお前さえおればノープロブレムや! 「なんや、めっちゃ嬉しいやん」 「それは良かったデスネー」 「お天道様のお陰やなあ」 「‥あれ?」 急に部屋の中が明るくなった。雨が上がって、日差しが出てきたようだ。 「雨、止んだ」 部屋の中が明るくなるのと同時になんだか俺の気分も良くなった。そんでもって隣にいる名前に抱きついてスペシャルキッスをお見舞いしてやった。名前は驚いとったけどまんざらでもなさそうやった。 なんか朝のどんよりした重苦しさが無くなって気持ちがいい。まあ要するに、俺の心も晴れたっちゅー話や。 ---------------- なんやねんコレ(^p^) title*確かに恋だった |