16 あとがき | ナノ


あとがき

涼音さまよりリクエストで
「黄笠黄・悪夢でうなされて眠れない黄瀬くんに笠松さんが添い寝する話」
でした。

まず、ぼっちデニーズでうわあああああって書きなぐった作品で、ドヤ顔で書き終わった後にあれ、なんかこれ書いたことあるかもしれないって絶望感に打ち拉がれました。該当シーンがこちらです。



黄瀬が固まっていることに気がついた俺はなんだ?と黄瀬の顔を覗き込む。すると黄色の虹彩がゆっくりとこちらに向けられた。少しくすんだ桃色の唇も、やけにゆっくり、動く。

「…笠松センパイ、」

黄瀬は俺の手をとり、言った。

「今日、俺の家に泊まってください」

なんでだよ。



それから黄瀬が語ったことを要約すると、彼はここ一週間ほど相当悪質な悪夢に見舞われて、まともな睡眠がとれていなかったらしい。眠っても眠っても悪夢で目覚めてしまうのだとか。

「出てくる人の首が、ちぎれてころころ転がってっちゃったり、誰かを刺したり潰したりミキサーしちゃったり、突き落としたりえぐったり、あと俺がそういうめに遭ったり」
「グロい」

仕方なしに授業中に寝ても(寝るなよ、)やはり悪夢を見てしまい、寝ることが出来ない。うっかりすれば悲鳴をあげてしまう。体力も限界で本当に参ってしまっていたのだが、今日、何故か俺と一緒だと気持ちいい睡眠がとれたのだという。

「だから、センパイ添い寝して」
「結論ぶっ飛び過ぎだろうが」

俺は腕を伸ばしてすぱんッと黄瀬のこめかみをひっぱたいた。駄犬は痛いッス〜、とひんひん泣いている。でもな、見てみろよ。大抵のことを面白がってノってくる森山までドン引きしてるんだぞ。

「つか、そんな単純なもんか?」
「でもー、だってぇ、めっちゃ安心するんスよ、センパイのとなり。絶対朝までぐーすか寝れると思うんスよー」

だめッスか?と黄瀬はうるうるした目で俺を見てくる。俺より身長高いのにわざわざ上目遣いで攻めてくる。うわー、あざてえ。怒りたい殴りたい。でも、少し冷静に考える。きっと黄瀬はこんなことを頼むくらい参っているんだ。睡眠は軽んじられることが多いけれど、実はとても重要なものだ。じゃなきゃどうして人間は何時間も寝るのかっていう話になる。黄瀬は今それが一週間も損なわれていて、でも俺なんかと一緒にいることで治るんなら、こんな簡単な話はない。おえっとした表情の森山を横目に、俺は仕方ねえなー、と黄瀬のデコを叩いた。



仕込んだネタがちょっぴり惜しくて悩みました。結局笠松先輩にやらかしてもらうことにしました。
何が一番書きたかったって襲い受けの笠松先輩です。男前松先輩が大好きです。


涼音さまのみ返品・お持ち帰り可能です。

リクエストありがとうございました!!




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