いっしゅうねんきかく | ナノ


うめあわせ一周年




数日かけて
なんか書きあがったら良いのにな



「困りました」

始まりは黒子テツヤのこの呟きだった。屋上で黒子たちの代のバスケ部で集まって昼ご飯を食べていた時のことである。黒子は何やら携帯を見ていて、ちっとも困っていなさそうな表情で言ったのだ。困りました、と。だいたい皆口の中いっぱいに昼飯を詰め込んでいて、一番最初に黒子の呟きに反応したのは降旗だった。

「黒子?何かあったのか?」
「ええ、少し。看過するには苦しい事態です。僕はどうすれば良いんでしょう」
「ちょ、具体的にどうしたの?心配だよ」

ぼわぼわと、曖昧な言葉を選ぶ黒子が不安になって全員が黒子に注目する。黒子はその視線を受けてむー、とやっと少し顔を歪めた。黒子は、一度心を落ち着けるように空を仰いだ。晴天、天高く馬肥ゆる秋。髪を軽く揺らす風は涼しく心地いい。とてもとても穏やかな気候である。いつまでもこの柔らかさが続けばいいのに…。さて、現実逃避はこの辺にしておこう。黒子は視線を仲間たちに戻すと、困ったこと、を告げた。

「キセキ全員に集合がかかりました。ついでに火神くんと降旗くんも呼び出されています」
「はぁ?!俺もかよ!!」
「なんで凡人の俺まで呼ばれるんだよ!!」
「「ぃやった――!!俺ら呼ばれてない――!!モブ万歳!!!!」」

穏やかな秋、しかし、そういえば、沖縄の向こうあたりに台風が出来ていたなぁ、と火神は朝の天気予報を思い出していた。 


2013/09/23 11:50 (0)


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