「起きて、エースさん」
「………」



むくっと上半身を起こしたものの、全く動く気配を見せない二番隊隊長ことエースさん。きっと、しばらくは覚醒しないだろうから先に朝ご飯を用意してきてあげる事にした。







なまえがおれを起こしにきてから何分後か、少しだけ眠気がとれたので食堂に向かった。中ではなまえがおれの少し遅い朝メシを作ってくれているはずだ。



キイィ

「おはようございます」
「お〜う……」



案の定そこにはニコニコしているなまえがいた。癒されるなあ、なんて思いながらメシの置かれた席に向かう。今日の朝メシはトーストとコーヒーらしい。



「眠そうですね」
「まぁな……っ熱!!」



コーヒーが舌に触れた瞬間、あまりの熱さに思わず舌を引っ込めてコーヒーを雑に置いてしまった。そのせいで机には茶色くて丸い斑点がいくつも出来た。

やっちまったと思って申し訳なく前を見てみれば、何故かクスクスと笑ってるなまえの姿。おれは何がなんだか分からずにそれをみていた。



「ふふっ」
「確信犯か、てめぇ!」
「だってエースさん、」



毎朝毎朝、ご飯を食べ終わってもずっと眠たそうな顔してるもの。それが何だか歯がゆくて、ちょっとイタズラしたかったんです。



「お前なあ、」
「お、成功したみたいだねい」
「マルコ兄さん!」



厨房の方から現れたマルコに頭を撫でられて、笑顔のなまえ。こいつも共犯者って訳かこの野郎。

マルコはなまえの肩にぽすっと手を置いておれを見ながらニヤッとした。



「どうだ?可愛い妹だろい」
「けっ……はいはい、毎日中々起きないおれが悪かったよ」
「別に、構いませんよ」



起きなかったら毎朝、あっついコーヒーが待ってるだけですから。

笑顔で言い放つなまえにおれは引きつった笑顔を送った。





不死鳥の妹
ただ者じゃない。










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