「キッドさん」





それがあたしの雇い主(というか最早飼い主?)の名前だ。真っ赤な髪はあたし的にどうも落ち着きが感じられなくて、何故だか見ていてソワソワしてしまう。

そんな彼は今、キラーさんと真剣勝負でチェスをしている。さっきから続く一進一退の攻防は見てるこっちもハラハラするものがある。……まあレベルは置いといて。





「何だ」
「景品、あたしなんですよね」
「あぁ」





今更待ったは聞かねェぜ、とキッドさん。いやいや、あなた初めからあたしの意見総無視でしたよね。キラーさんもキラーさんでかなり乗り気でしたし(あんたら一体あたしに何するつもりなんだよ)







家出します、ごめんなさい
だってあまりに低レベルな勝負すぎて景品のあたしが可哀想。








「というわけでお邪魔します」
「………ほう」





訪れたのは同じくシャボンディ諸島にいたトラファルガーさんの船。実はあたし、ここにいるキャスケットくんと同郷だったりする。





「何故おれの所に来た?」
「知的な男性がタイプなんです」





だから今争ってる2人の勝った方と勝負してください。あの2人に貰われるのはちょっと癪なんで、トラファルガーに貰って貰おうかなと。あ、景品あたしなんですけどね。

そこまで言えばトラファルガーさんは笑った。





「フフッ面白い女だ」
「じゃあよろしくお願いします」





そして勝負を終えて勝ったキラーさんとトラファルガーさんが勝負をして、あたしの未来は救われた。

トラファルガーさんはあたしを貰ってくれなかった。ショック!!



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -