「………」
「………」





さっき上陸した島で買ったソフトクリーム。おいしいおいしいと頬ばっていたら突然エースが私の横に座って私を凝視してきた。そして何だかソワソワと落ち着きがない様子でこちらを見ている。

こんな不自然な行動の目的はひとつ……コイツは恐らくていうか確実に私のソフトクリームを狙ってる!!





「なあなまえ、一口」
「あげないよ」
「んだよケチ!」





そう言ってそっぽを向くエース(やっぱりソフトクリームが目的だったかコイツ)でもだからと言ってどこかへ行く様子もなく、私から顔を背けるだけだった。あげないって言ってるのに……。



というか私がエースにアイス系統をあげないのには理由がある。それはコイツに渡せば100%一瞬で溶けてしまうからだ。だからどれだけ暑くても、どれだけエースが可哀想に思えても、アイスだけはあげない。あげられない。







……ん?渡せば?







「あ、そうか。エースエース」
「………んだよ」
「ソフトクリームほしい?」
「っほしい!!」





急にキラキラと目を輝かせて身を乗り出してくるエース。コイツってこんなに子供だったっけ……ていうかそんなにソフトクリーム欲しかったんだ。私はエースの前にソフトクリームを差し出す。





「はい」
「……は?」
「持っててあげるっていってんの。どうせあんた火なんだから、自分で持てば一瞬で溶けちゃうでしょ」





そこまで言えばエースは満面の笑みでかぶりつこうとした。







ソフトクリームが末期
私は忘れてた。彼が自然系の“火”だということを。








「あー溶けてる!!」
「おれまだ食べてないぞ!?」
「……はっ、そういえばあんた存在自体が火じゃん!近付くだけで台無しになるんだ!!しっしっ」
「(ガーン)」



「何やってんだい、アイツら」



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