「好きだ」
ルフィはただ一言そう言うと、ギュッと私に抱きついてきた。
最近は少なくなったけど、それでも一度こうなると中々解放してもらえないのは、長い十数年の付き合いから重々承知だ。
「大丈夫だよ、ルフィ」
どうして彼が時折こんな状態に陥るのかは分からない。ただ、本当に時々、こうやって甘えてくるのだ。
肉親が傍にいなくて寂しいのか、なんとなく人肌が恋しいのか、はたまた私に対する愛情でも抱いてくれているのか。色々と考えてみるが、どれもピンとこない。
「おれたち、ずっと一緒か?」
でも今、彼のこの瞳を見て気付いたことがある。まるで自分が居ることを確かめるような、この揺らめいた瞳を私は知っていた。
……ああ分かった。ルフィが私に抱く感情も、はたまた私がルフィを想う感情も、愛情なんて軽いものじゃない。
「うん、ずっと一緒よ」
これは完全な依存だ。
非愛
傍にいたいなんてものではない、傍にいないとダメなんだ