「別れたんだってな、」
目の前には幼なじみでお兄ちゃんのように慕ってきたグリーン。
彼の表情が少し寂しそうに見えたのは気のせいじゃない。
昔からそう、
グリーンは表情が乏しい私とは真逆で、自分の感情に素直で顔に出やすく分かりやすい。
だから今回もきっとグリーンは本気で悲しんでくれているんだと思う。
「私から振ってやったのよ」
「そうか」
きっとグリーンは私の嘘に気付いてる、だってアイツには私がベタ惚れだったんだから。
今日は何回キスしたんだとか遊びに行くんだとか、毎度毎度報告するくらいアイツが大好きだった。
この私が嬉しそうに笑いながら話すんだよ？無愛想で有名な私が。
だから表情が豊かな私が見たい一心でグリーンも毎回嫌がらずに聞いてくれてたんだと思う。
お前には良い経験なのかもしれない、って笑いながら。
「頑張ったな、なまえ」
たったそれだけ。
一体グリーンがどんな意図で言ったのかは分からない。
けどその一言を聞いただけで私の眼からは溢れんばかりの涙が現れた。
私の想い人が貴方なら