「レッドの隣は落ち着くな〜」



シロガネ山の山頂、座っている岩から放り出した足をパタパタと揺らしながら隣に立っているレッドの方を見るが、彼は微動だにせずといった状態だった。ちょっとくらい反応してくれてもいいのに……少し虚しくなってしまう。



ビュゥゥゥ

「う、わ……!」



刹那、思わぬ突風があたしを襲う。今日はいつもより風がだいぶ緩かったから油断していたのだ。一瞬宙に浮く体、あたしは強く目を瞑って後にくる痛みに耐える準備をした、が要らぬ世話だったらしい。あたしの体は宙に浮いているものの、いつまで経っても痛みは伴わない上に落下感覚もまるでないのだ。



「……危ない」
「レッドっ」



それはレッドのお陰だった(どうやら彼が間一髪であたしの腕を掴んでくれたみたい。)レッドは軽々とあたしを引き揚げる、意外と筋肉がついていたというさり気ない男らしさに場違いながらキュンとしてしまったり。



「あ、ありがとうレッド」
「馬鹿」
「ううっ……」



自分の失態でレッドにも無駄な迷惑を掛けてしまった、そう肩を落として落ち込んでいると途端頭上にポンっと手の感覚が降ってきた。視線を辿っていくと、それは紛れもなくレッドから伸びているものだった。



「別に落ちてもよかった」
「いやっ落ちないから!!」



「たとえ落ちても、助けるから」



レッドはほんのちょっとだけ笑った、あたしの頬が次第に熱を帯びていったのは言うまでもない。





絶対的自信の持ち主
ふ、普通は怒るでしょ!?
怒っても治らないと思う




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