ダイゴと共に過ごす時間は何とも甘美なもので、今現在の彼氏と過ごす時間なんかよりもずっとずっと居心地の良いものだった。でも大企業の御曹司である彼には言わずと知れた婚約者がいて、それは彼らに匹敵するくらい大規模な会社のご令嬢なんだとか。


「私たちが会ってるってバレたらどうなるのかな、私はもちろんクビだよね」

「その時はその時さ、ちゃんと責任もとるよ」

「え〜何それー」


今まで史上最高の夜景を楽しみながら窓際でグラスを乾杯させ、これまた最高級のロイヤルホテルで談笑しながら2人は笑う。

きっとダイゴだって、婚約者の彼女と一緒にいるより私と喋っていたほうが絶対に良い表情をしていると思う。こんなにくしゃりとした笑顔を見せてくれるのは私の前だけだから、これはきっと自惚れではない。


「そうだな、もしキミが今の会社をクビになってしまったら、」

「しまったら?」

「僕の家でお手伝いさんでもしてもらおうかな」


それだけは絶対無理だよ、と笑って見せたらダイゴはきょとんとした。どうやら自分で言った言葉に矛盾を感じていないらしい、私はグラスの中の揺れるワインを見ながら言う。


「だって私がダイゴと浮気したからクビにされちゃうんだよ?離れ離れにされない訳ないじゃん」

「ああ、そうか」


先程とは違ったちょっぴり呆れたように笑顔ん見せると、ダイゴは私のグラスと彼のグラスの両方を持ってテーブルに置きに行った。私はと言えば吸い込まれるようにダイゴの後ろをついて行く。すると振り返りざま目が合うと同時に抱き締められた。私も自分の両腕をそっと彼の背中に回す。


「キミと会えなくなるのは寂しいな」

「ダイゴ、」

「こんなにも愛しているのに」


そう小さく呟いた続きに言葉は紡がれず、ダイゴはただただ優しく私の口を塞いできた。もちろん私は彼をすんなりと受け入れる。愛し合う私たちの体は、無機質で真っ白なベッドへと沈んでいった。

それがダメな行為だと、理性的に分かっていても。



このまま堕ちてしまいたいと何度も願った


title;)エーデルワイス送葬曲




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