「どうしたんですか、お二人とも」
「今日飲みに行かない?もちろん!一角のおごりで」
「おごらねえよ!」


わいわいがやがやと肩を組みながら隊舎にやって来た二人組は、乱菊さんと斑目さんだった。

……この人たち(とくに乱菊さん)は本当に仕事をしているんだろうかと心配になってくる。それは多すぎる飲み会の回数が原因だろう。


「ごめんなさい、今日はちょっと…」
「なになに?デート?」
「違いますよ、」


私は瀞霊廷通信の仕上げが出来ていないことを話した。今週は『徒花』のほかに一つ、短編の小説が入るので、その打ち合わせが今日あるのだ。


「ぶー、終わったら来なさいよー」
「約束はできません」
「……真面目ねえ…」
「ほら、行くぞ」


斑目さんに引っ張られていく乱菊さんを見て、二人って仲良かったんだなあ…とひっそり考えてしまった。

だんだん小さくなっていく背中をみて、私はふといい忘れていたことを思い出した。


「あ、斑目さん!」
「あ?」


大声で呼べば、乱菊さんを引っ張りながらもこちらに振り向いてくれた。

私はもう一度叫ぶ


「この前は、ありがとうございました」
「………おう」


私に後ろ姿を見せて、手をひらひらを泳がせる一角さん。途中乱菊はさんに殴りかかっていたけど、なんだったんだろう。

私は仕事場に戻った。





「なにあんた、照れてんの?」
「は?照れてねえよ」
「可愛いもんねーなまえ」
「お前よりはな」





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