「ねえねえ、これ知ってる?」


とある隊舎の昼休み。
5人の女性隊士たちは自前のお弁当を手に会話を咲かせていた。

そんな中、1人の女性隊士が荷物から冊子を取り出す。それは最新の瀞霊廷通信だった。取り出した女性隊士は通信のとある部分を指差す。


「知ってる!『徒花』でしょ!」


それを見たもう1人の女性隊士はすかさず反応した。そして頼まれてもいないのにペラペラと感想やあらすじを述べていく。

残っている3人のうちの2人は真剣に話を聞いて好奇心を膨らませて居たのだが、1人、その話を物憂げに流している女性隊士がいた。

初めに冊子を出した女性隊士は不思議そうに尋ねる。


「菖蒲、どうしたの?」
「その話、好きじゃないんだ」
「そうなの?」
「ええっ!なんでよ〜」


好きだと言ってた者が身を乗り出して尋ねる。左手にはお弁当箱、右手には米粒の付いたお箸。あまり行儀のいい行為とはいえなかった。

対する“菖蒲”と呼ばれた女性隊士は既にお弁当を平らげ、瀞霊廷通信をてに取って、音もなくパラパラとめくっていた。


「なんつうのかなあ…」

「何か、悲しいだけじゃね?」





20110110 浅葱

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