弓親さんが私を家まで送ってくれた日から、胸をさす痛みに思わず泣いてしまったあの日から既に1ヶ月が経った。弓親さんとは全然会えない日が続いている。

きっとこれは偶然だ、弓親さんはそんなに器の小さい人じゃない。

けれど今月の5日間に渡る長い休暇に彼は現れず、1人あの狭くて暗い小屋で過ごした(何度も何度も泣いてしまったけど、その悲しみも日に日に薄れていったのがせめてもの救い。私の心はまた以前のように落ち着きを取り戻した)


「お前、確かあの時の……」


そんな中、私は彼に出会ってしまった。あの時は彼の威圧感にビックリしてあまり顔を見ていなかったが、あの声が私の頭の中に残っていたので何とか名前を思いだそうとした。

だがもう1ヶ月も前の話、そう簡単に思い出せるものではなかった……というより聞いた覚えがないのは気のせいだろうか。


「……ごめんなさい、お名前教えてもらえますか?」
「斑目一角だ。てめェは?」
「みょうじなまえです」


聞いてみたがやっぱり聞き覚えがない。そういえば彼は現れて早々に阿散井六番隊副隊長に絡まれていたような気がする。
それに比べて斑目さんは私の名前を聞いてあぁ、と納得していた。どうやら思い出してもらえたようだ。


「……時間空いてるか?」
「え?」
「話したいことがある」


私の心臓の鼓動はやけに早くて、きっと無意識にこれから話される事実の目星が付いているんだろうと思った。




何となく繋がれた線
何でだろう、目の前の彼は全然恐くなかった。


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