十一番隊の隊員には筋肉モリモリで好戦的な男しかいない、なんて出任せ、一体誰が言い始めたんだろう。私というれっきとした女が、この通り十一番隊で働いているのに。

行きつけの甘味店で店長に愚痴りながら饅頭を頬張っていると、隣に座っていた綾瀬川さんは朗らかに笑って言い放った。


「それはほら、あれだよ。キミって案外影が薄いから」
「まあ確かに平隊員ですけれども!でも普通、紅一点やら何やらと噂になったりしません?」
「残念。副隊長がいるね」
「そういう意味じゃなくて」


私的にはこう、もっと刺激のある隊員生活を送れるんじゃないかな〜とか少なからず思っていたわけで。

しかし、残念ながらその手の話題が舞い降りてくることは一切なく、仕舞いには、お前を女として見れなくなったと院生時代の仲間に言われる始末。お先真っ暗だ。


「あ、そういえば、」
「?」
「何で十一番隊に入ったの?」
「……秘密ですよ、そんなの」


さあて、執務に戻りますか!

立ち上がって伸びをしながら隣に座る綾瀬川さんを見る。彼はいつもみたいに笑っていた。


あなたに敬愛!


見かけによらず強い綾瀬川さんに憧れたんです、だなんて。


「(今はまだ、恥ずかしいかな)」



10000打企画 サクラさまへ!
20110104 浅葱

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -