「だらしないわねぇ!」
「……気持ちわりぃ」

「……何してんの、アンタら」


久しぶりに見た同期の2人は、
何ともだらしない格好で繁華街を徘徊していた。




自棄酒注意報




取り敢えず2人を店から連れ出した私は、近くにあったホテルに2人を連れて行った。

スモーカーはかろうじて自分で歩けるみたいだが、ヒナの場合は完全にそんな状態ではなかったので、背負っていくことに。


「馬鹿じゃないの」
「……ああ?」


道中、どうにも吐きそうだったスモーカーを一蹴して、無理にお願いして取ったツインの一室に入る。

ヒナはホテルに着く前からすでに眠っていて、起きる様子もなかったので、とりあえず2つあるベッドの内の1つに寝かせた。


「ヒナってば……相変わらず酒癖悪いんだから」
「……うっぷ」
「ちょっとちょっと、大丈夫?」


ヒナを心配する私の隣では、今にも戻しそうなスモーカーが。私は急いで水を用意して、それをスモーカーに渡す。

力なくグラスを受け取る様は、まるで力がなく、きっと海兵たちが恐れているいつものスモーカーからは想像できないくらいだ。


「あァ…少しマシだ」
「何なら横になりなさいよ」


私がベッドを指差せば、スモーカーは天の邪鬼にもソファに腰掛け、ちょいちょいと人差し指で私を呼んだ。

私はそれに応える。


「何よ……って、ちょっと」
「膝貸せ。寝る」
「……はいはい」


それはいわゆる膝枕というもので、私は呆れてため息をついた。でも、なんだか昔に戻ったみたいで懐かしいな。

だから…今日だけなら、貸してやってもいいかなと思った。




後始末は、いつも私




「頭、いたいわ……ヒナ屈辱」
「呑みすぎよ、ヒナ」
「あらなまえ」

「………首がいてえ」
「それは自業自得よ」


・・・・・・・・・・
60巻(?)の扉絵で
ヒナが酔ってたので。笑

20101109 浅葱

BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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